大混乱続く2017年のアメリカ競馬

新年を迎えたばかりのアメリカ競馬、いきなり元旦からG戦がスタートしました。大晦日にも開催がありましたから、メリハリの無いこと著しい・・・。

さて1月1日のG戦はフロリダとカリフォルニアで一鞍づつ。先ずフロリダはガルフストリーム・パーク競馬場で行われたのが新年最初のG戦となったミスター・プロスペクター・ステークス Mr. Prospector S (GⅢ、4歳上、6ハロン)。とは言ってもこれは本来クリスマス明けに予定されていたもの。経緯は判りませんが、混乱続くアメリカG路線を象徴するようなスタートとなりました。馬場は fast 、6頭が出走し、去年のBCスプリントに挑戦して6着した格上馬デルタ・ブルースマン Delta Bluesman が6対5の1番人気。
4番人気(5対1)のエル・ディール El Deal が逃げ、デルタ・ブルースマンは2番手に付けてペースを上げます。しかし全体に先行馬が揃っていたこともあり、離れて最後方に待機していた最低人気(19対1)のスクアドロン・エー Squadron A が直線ではポッカリ空いた内ラチ沿いを一気に伸び、3番手から伸びた3番人気(7対2)のキャンディップ Candip に2馬身半差を付けるサプライズ。デルタ・ブルースマンは一本調子の走りとなり、1馬身4分の1差の3着に終わりました。新年早々から大波乱です。
デール・ロマンス厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のスクアドロン・エーは、これがステークス自体初勝利となる明け7歳牡馬。未勝利戦とアローワンス戦ばかり3勝していましたが、前走は11月にチャーチルでアローワンス戦に勝っており、生涯初となる2連勝となります。G戦は去年、5月にチャーチル・ダウンズ・ステークス(GⅡ)に一度だけ挑戦したことがあり、これは7着でした。

一方カリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場で行われた最初のG戦は、サン・パスカル・ステークス San Pasqual S (GⅡ、4歳上、8.5ハロン)。これも本来は元旦に行われるレースではなく、カリフォルニアのG路線が大幅に入れ替えられていることの表れ。去年はカリフォルニア・クローム California Chrome がこのレースから始動し、ドバイのワールド・カップまで連勝を続けたレースでもあります。
今年もワールド・カップ連覇を目指すカリフォルニア・クロームは、既にステップ・レースとして去年の年末にロス・アラミトスで一般ステークス(ウインター・チャレンジ・ステークス)に勝って準備を整えました。正月のサン・パスカルには、そのカリフォルニア・クロームにBCクラシックで土を付けたアロゲート Arrogate が参戦する予定でしたが、馬場が良くないために取り消し、wet fast の馬場には4頭しか出走してきませんでした。実力的にはアロゲートに次ぐ2番手でBCマイル3着のミッドナイト・ストーム Midnight Storm が、替わって3対5の断然1番人気。
外枠からハナに立ったミッドナイト・ストーム、そのままリードを譲ることなく、4番手から伸びた3番人気(7対2)のアクセルレート Accelerate に1馬身4分の1差を付けて貫録を見せました。2番手を追走した最低人気(6対1)のダルモア Dalmore が2馬身半差で3着。
フィリップ・ダマト厩舎、ラファエル・べハラノ騎乗のミッドナイト・ストームは、去年のシューメーカー・マイル(芝GⅠ)の覇者で、本来は芝コースを得意とする6歳馬。前走は11月にデル・マーのダートコースでネイティヴ・ダイヴァー・ステークス(GⅢ)に勝っており、ダートG戦2連勝。1月末にガルフストリームで予定されているペガサス・ワールド・カップ(GⅠ)に向かうかどうか。このレースは去年までドン・ハンデとして施行されていたレースで、ドバイへの走行レースでもあります。

 

 

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