2017ロイヤル・アスコット5日目(千穐楽)

6月20日に開幕した2017年ロイヤル・アスコット開催、昨日6月24日に無事に5日間の日程を終えました。最終日も馬場は good to firm 、所により firm という高速馬場が続きます。
フィナーレも6鞍が組まれていましたが、G戦は第3レースと第4レース。先ずこの2レースからレポートして行きましょう。

開催最後から2番目に行われるのが、ハードウィック・ステークス Hardwicke S (GⅡ、4歳上、1マイル3ハロン211ヤード)。今年は2頭の取り消しが出て12頭立てとなり、去年の勝馬でエリザベス女王の勝負服で走るダートマウス Dartmouth が9対4の1番人気。このレースを10勝しているサー・マイケル・スタウト厩舎、以前の主戦騎手だったライアン・ムーアが戻っての騎乗です。
4番人気(13対2)のダル・ハライルド Dal Harraild が逃げ、ダートマウスは先行から2番手に進出。直線、大歓声の中でダートマウスが抜け出しに掛かりましたが、5番手を進んでいた2番人気(9対2)のアイダホ Idaho が前を捉えると、後方から追い込む2頭、9番人気(20対1)のバルサンティー Barsanti に半馬身、10番人気(25対1)のケミカル・チャージ Chemical Charge に更に1馬身4分の1差を付けて快勝しました。ダートマウスは4着と2連覇成らず。

アイダホはエイダン・オブライエン厩舎、ムーアではなくシーミー・へファーナン騎乗の4歳馬で、去年のダービー3着、愛ダービー2着馬。セントレジャーは鞍ずれで競争を中止するという不運に見舞われましたが、トライアルであるグレート・ヴォルティジュール・ステークス(GⅡ)に続く2つ目のG戦タイトル。
今期初戦のコロネーション・カップは6着と本来の力を出せませんでしたが、競馬場に到着してからレースまでの時間が短く、馬が入れ込んだためとか。この日は本来の能力を発揮しての勝利です。
2日目にセント・ジェームス・パレス・ステークスを制し、コロネーションでは敗れたハイランド・リール Highland Reel の全弟に当たる血統で、もし来月のキングジョージに出れば、兄弟対決が再び見られるかもしれません。いや、その確率は高そうですね。

ロイヤル・アスコット最後のG戦は、古馬の短距離戦ダイヤモンド・ジュビリー・ステークス Diamond Jubilee S (GⅠ、4歳上、6ハロン)。今年も名だたるスプリンター19頭が参戦してきましたが、去年のフォレ賞(GⅠ)勝馬で、一昨年のコモンウェルス・カップでは2着だったリマート Limato が2対1の1番人気。このレースにはオブライエン厩舎からの参戦がないため、ライアン・ムーアが呼ばれました。
19頭立てながら馬群は一団、11番人気(33対1)のカチー Kachy が逃げましたが、最後は人気上位3頭が抜け出してのスリリングなフィニッシュに。中団からスタンドに遠い側に持ち出して追い込んだ2番人気(9対2)のザ・ティン・マン The Tin Man が、同じく外(スタンド側)から追い込んだ3番人気(7対1)のタスリート Tasleet に首差で優勝。やはり中団から伸びたリマートも2頭の間から伸びましたが、ゴール寸前で挟まれるようになって馬を引っ張る不利。審議になりましたが、最終的には入線通りで確定しています。

勝ったザ・ティン・マンはジェームス・ファンショウ厩舎、トム・クイーリー騎乗の4歳馬で、去年秋に同じアスコットでブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントに勝ったのに続いて2つ目のGⅠ制覇となりました。去年のこのレースにも出走していましたが8着、今期初戦で前走デューク・オブ・ヨーク・ステークス(GⅡ)も5着と敗れていましたが、流石にGⅠホースの実力でしょう。このあとは3歳スプリント王カラヴァッジョ Caravaggio との対決が待っています。

以上で今年のロイヤル・アスコットG戦全19鞍を紹介したことになりますが、最終日の残り4鞍も結果だけを簡単に記しておきましょう。
先ず第1レースのチェシャム・ステークス Chesham S はリステッド戦で、2歳馬の7ハロン、15頭立て。11対8の1番人気に支持されたオブライエン厩舎、ムーア騎乗のセプテンバー September が人気に応えて快勝しました。間違いなく来年のクラシック候補でしょう。

第2レースはウルファートン・ハンデキャップ Wolferton H 。4歳上の1マイル1ハロン戦で、16頭が出走。3対1の1番人気カイラート Khairaat が13着に敗れ、25対1のスノアノ Snoano という馬が穴を開けました。ティム・イースタービー厩舎、デヴィッド・アラン騎乗。

第5レースのワーキンガム・ステークス Workingham S (ハンデ戦)は3歳上の6ハロン戦。27頭と頭数が揃い、ここも11対2の1番人気ラウクース Raucous が8着と敗退し、デヴィッド・オメーラ厩舎、ダニエル・タドホープ騎乗で25対1のアウト・ドゥー Out Do が勝つ波乱でした。

そして最終第6レースがクイーン・アレクサンドラ・ステークス Queen Alexandra S 。4歳上、2マイル5ハロンという長距離の条件戦で、16頭立て。1番人気(2対1)のトーマス・ホブソン Thomas Hobson が2着と健闘しましたが、優勝は10対1のオリエンタル・フォックス Oriental Fox 。マーク・ジョンストン厩舎、ジョー・ファニング騎乗と、最終日は勝利騎手が全て異なるという結果でした。

5日間のタイトルは、最多勝利調教師がエイダン・オブライエン、オーナーはクールモア、チャンピオン・ジョッキーもライアン・ムーアと、予想通りの結果でした。
チームは初日の勝鞍無しとスロースタートでしたが、オーナー部門では最終日にゴドルフィンを逆転しての首位。ゴドルフィン軍団は調教師も騎手も様々ですから、結果的にはクールモアがトップになったということでしょう。この傾向は暫く続きそうですね。

 

 

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