ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク･フィル(３)

ミトロプーロスとニューヨーク・フィルのプログラム、今回はニューヨーク・フィルの全米ツアーを取り上げましょう。
ニューヨーク・フィルは、１９４７年４月１４日から５月１１日までの２８日間、実に２４都市で２８回のコンサートを開催しました。この間一日の休みも無い殺人的スケジュールです。
ツアーのスポンサーは United States Rubber Company 。古き佳きアメリカ、という感じがします。
指揮者はストコフスキー(１１日間)、オーマンディ(４日間)、セル(４日間)、ミトロプーロス(９日間)の順。
ソリストは僅かにオーマンディが振ったワーグナー・プログラムでヘレン・トラウベルが歌っただけです。
曲目もストコフスキーがいくつか目新しい作品を交えただけで、他は全てオーソドックスな選曲。特に解説は必要ありますまい。
１９４７年５月３日　ウィスコンシン州ミルウォーキー
　ウェーバー/歌劇｢魔弾の射手｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　チャイコフスキー/交響曲第５番
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月４日　イリノイ州シカゴ
　モーツァルト/歌劇｢ドン・ジョヴァンニ｣序曲
　シベリウス/交響曲第２番
　Ｒ．シュトラウス＝ドラティ/組曲｢バラの騎士｣
　イベール/寄港地
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月５日　ミシガン州デトロイト
　ウェーバー/歌劇｢魔弾の射手｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　チャイコフスキー/交響曲第５番
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月６日　オハイオ州デイトン
　モーツァルト/歌劇｢ドン・ジョヴァンニ｣序曲
　シベリウス/交響曲第２番
　Ｒ．シュトラウス＝ドラティ/組曲｢バラの騎士｣
　イベール/寄港地
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月７日　ウェスト・ヴァージニア州チャールストン
　モーツァルト/歌劇｢ドン・ジョヴァンニ｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　シベリウス/交響曲第２番
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月８日　オハイオ州コロンバス
　ウェーバー/歌劇｢魔弾の射手｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　チャイコフスキー/交響曲第５番
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月９日　オハイオ州エイクロン
　ウェーバー/歌劇｢魔弾の射手｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　イベール/寄港地
　Ｒ．シュトラウス＝ドラティ/組曲｢バラの騎士｣
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月１０日　ニューヨーク州バッファロー
　モーツァルト/歌劇｢ドン・ジョヴァンニ｣序曲
　シベリウス/交響曲第２番
　Ｒ．シュトラウス/組曲｢バラの騎士｣
　ワーグナー/楽劇｢ニュルンベルクのマイスタージンガー｣前奏曲
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
１９４７年５月１１日　ペンシルヴァニア州ピッツバーグ
　ウェーバー/歌劇｢魔弾の射手｣序曲
　ベートーヴェン/交響曲第２番
　イベール/寄港地
　ワーグナー/楽劇｢ニュルンベルクのマイスタージンガー｣前奏曲
　Ｒ．シュトラウス＝ドラティ/組曲｢バラの騎士｣
　　指揮／ディミトリ・ミトロプーロス
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ご覧のように、僅か８曲の組み合わせを様々に変えたプログラムです。同じ組み合わせは２種類だけ。
オーケストラとしてもいつも演奏しているレパートリーですから、本番兼リハーサルのような側面もあったかと思われます。
この内、５月４日(シカゴ)と５月１１日(ピッツバーグ)の演奏会は、ＣＢＳによって全国放送されました。恐らく音源はアーカイヴに残されているものと想像します。