モンシロチョウ

気象庁の発表は別として、今年の冬は例年より寒かったように思います。こちらが出不精になった所為もあるでしょうが、所謂「初蝶」を見たのも遅く、3月20日のキチョウまで待たなければなりませんでした。
今週に入って漸く気温が上昇、ここ数日でモンシロチョウの姿が多くなってきましたね。私の最初の目撃は3月28日に勝島運河の土手で、この時は土筆摘みが目的。菜の花の黄色い絨毯に何頭ものモンシロが舞っていました。

モンシロチョウについては何の解説もいらないでしょう。ただ、1980年代だったか、都内で見掛ける「白い蝶」のほとんどがスジグロチョウだったことがありました。あの時はモンシロが珍しいほどで、巷でも諸説が飛び交っていましたっけ。
現在ではスジグロ旋風は去って、昔のようにモンシロチョウが「普通種」に復帰しています。あれは何だったのか。

亡くなられた日高先生によれば、モンシロチョウは古代の日本には生息しておらず、アブラナの渡来と共に日本に渡ってきた由。氏の「海を渡る蝶」は名著です。
この蝶は蛹で越冬するので、春先に出るものは正真正銘の初蝶。専門家によると、日本産のモンシロチョウ属(pieris)では最も蛹の休眠性が弱いのだそうです。私の記憶でも2月初めに目撃したこともありますしね。

図鑑や文献にはあまり書かれていませんが、モンシロチョウには独特の「香」があると思いますがどうでしょうか。小生も子供の頃は敏感で、その匂いでモンシロチョウの存在に気が付いたものです。
尤もこういう感覚は、自分で蝶を採集し、かつ展翅するという体験が無いと育たないのかも知れません。昔懐かしい匂いという設題があれば、私は間違いなくモンシロチョウの香を挙げますな。

春一番に出現するモンシロチョウは、その後世代を繰り返してほぼ一年中見られます。真夏はさすがに減りますが、最近では12月でも見ることがあります。
都会のモンシロチョウは何を食うか? というのも面白いテーマでしょう。市街地にあるものとすれば、ショカツサイとかハボタンとかですかね。

モンシロチョウの学名は Pieris rapae ピエリス・ラパエ。属名のピエリスは、ギリシャ神話に出てくるミューズの呼称。ミューズが生まれたのがオリンポス山北側のピエリアであるからとも、ゼウスとムネモシネの間に生まれた9姉妹の一人であるミューズの名がピエリデスだからとも、諸説あるようです。
種名のラパエは、「蕪」(カブラ)の意味。 rapa はカブの古名でもあります。
モンシロチョウは英名では Small White 、米名では Cabbage White 。イギリスでは外見、アメリカでは食草からの発想であるところが面白いですね。

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