レクイエムな一日
両親の墓参りに中々行けません。この前行ったのは何時だったかな、途中で交通事故に巻き込まれて酷い目に遭いましたわ。お盆の頃、炎天燃えるばかりの季節でした。そんなこともあって足が遠のいていたのです。
墓所は千葉県成田市、成田メモリアルパーク。母が亡くなって思案していた時、舞い込んだ案内が当時造成されたばかりのこの墓所。親父と弟の3人で下見に出掛け、気に入って即契約したっけ。700年のお付き合い、って言われましたね。
今は母だけでなく、父もここに眠っていますが、いずれは私もここに入ります。頑固親父が言い張ったため、本来は認められていないニシキギとツリバナが一株づつ植わっています。もう今年で23年になるので、樹も大いに成長してきました。隣に迷惑じゃないかと気が気でないので、今年は行って樹を剪定しなければ・・・。
3月のお彼岸と思いましたが、次々とコンサートの予定が入ってくる。彼岸の人を忘れちゃいけませんが、此岸も大事。週末に時間が取れるのは今週だけ。お彼岸には大分早いけど、勝手に今日を彼岸の入り、ということにしてお参りしてきました。
シーズン前ということもあって、静かでしたね。今日は気温も上がって、作業をしていると暑いくらい。墓地の周りでキタテハが日向ぼっこをしています。
成田メモリアルパークは、我々がお世話になってから随分敷地も広くなり、正に「パーク」として整備が進んできました。池の周りは散策路になっていて、少し歩くと、越冬から目を醒ましたばかりのアカタテハを発見。今日の最大の収穫。さすがに写真は撮れませんでしたが、目の保養になりましたね。
新しく造成されている地区にも足を伸ばしました。いわゆる洋風の墓地が2区画あって、一つは薔薇、もう片方は合歓の木がテーマになっています。もちろん花は未だですが、盛時には格好のハイキングコースになりそう。
薔薇入り口 合歓の木入り口
夢 ノート型
千の風になって ピアノ型
うん。なかなか良い墓地になってきました。昔風に「○○家の墓」などという墓石にアレルギーのある方にはお薦め。アッと驚くような墓石も並んでいます。将来のために見学されるのも良いかも。
東関東自動車道で一っ走りですが、今日は不景気の所為か道路も空いていて、行き帰り共1時間以内で往復できました。久し振りに良い供養ができたなぁ、満足満足。
帰宅すると幸いに、スピーカーを思い切り鳴らして音楽を楽しめる環境になっています。迷わずこれを聴きましたね。↓
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改めて、これ、良いですねぇ。CDで聴いただけの方がどういう印象を持たれるのかは判りませんが、ナマを体験した私としては、あの時の感動が蘇ってくる思いがします。大編成の大曲ですから、録音では捉え難い箇所も多々ありますし、やや合唱が遠く感じられる嫌いはあります。その反面、ライヴではハッキリ聴こえなかった部分が鮮明に捉えられていて驚いた所もあります。
実際に聴いた直後、去年の10月の日記を以下に転載しておきます。
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今回の京都、目的であったヴェルディを聴いてきました。内容はこんな具合。
同志社学生混声合唱団 創立60周年記念演奏会
ヴェルディ/レクイエム
指揮/広上淳一
管弦楽/京都市交響楽団
ソプラノ/菅英三子
メゾソプラノ/菅有実子
テノール/佐野成宏
バリトン/キュウ・ウォン・ハン
合唱/同志社学生混声合唱団CCD創立60周年記念合唱団
これはプログラムに表記されたままを転記したもの。他に合唱指導、ピアノ伴奏の方々の名前が記されていました。合唱団の名前がやたらに長いのは、今回の記念演奏会に様々な方々が携わったからで、いちいち経緯は書きません。プログラムに「記念演奏会ができるまで」という、OB・OG会の長文が載っていました。
そういう会ですから、批評めいたことは書きません。ただし、個人的な感想としては、やはり広上のヴェルディ/レクイエムを堪能した、に尽きるような感じがしました。それが目的で行ったんですから、わざわざ東京から駆けつけた甲斐があったというものです。
当日券も出ていたようで、窓口には何人か並ぶ人の姿もありました。会場は1階は満席のようでしたし、3階になるんでしょうか、高いところに若干空席が目立つ程度。
やはり学校関係者が多いんでしょう、見渡した感じでは、普段クラシックに通い慣れた人達ではなさそう。これがチョッと心配で、京都のホールは雑音に対する規制が緩いようですね。
演奏中もヒソヒソ話している人もいれば、花束を持ち込んでガサガサと雑音を立てている人もいます。これは仕方ないでしょうが、もう少し啓蒙が必要じゃないですかね。
主役の合唱、これは良かったですよ。指導を担当した大谷圭介氏の努力に拍手ですね。今年の夏は熱海で東西合同合宿も行ったようで、並みの練習量じゃなかったと思慮します。
ソリスト・オーケストラも水準の高い演奏を聴かせてくれましたが、願わくは女声ソリストにもう少し音量があったら、と思ったのも事実です。特にソプラノ、最近2回ほど聴いた同曲のソロが「あの人」だっただけに、不満は多少ありました。
何と言っても指揮者ですね。プログラムに、“マエストロ広上淳一氏はほんの数分の指導で私たちを至福の世界へ導いてくれます”とありましたが、これは彼の才能に触れた人が共通に感ずることのようです。“そうでしょうとも”と言いたくなるくらい。
広上自身のリハーサルはそれほど多くはなかったでしょう。本番前の数日かも知れませんね。それでもこれだけの成果を出す、というのは指揮者としての天性の資質。
その一例としてここを挙げたいですね。
第7曲のリベラ・メ。怒りの日が再度現れ、静まってからのアンダンテ。オーケストラは完全にタチェットとなり、ソプラノ・ソロと合唱が冒頭のレクイエムを交唱していく、たったの2ページ。ここでマエストロは指揮棒を置き、両手と体全体のアクションを使って、合唱団から息を呑むほどに劇的な表現を挽き出していくのです。もう、これは“至福”なんてものじやなく、“唖然”という印象。ナマ、レコード、何度も聴いてきた作品ですが、こんな表現が可能だったのか。
この39小節だけで、チケット代と新幹線代は、完全にペイしました。下世話なこと言ってゴメンネ。でも、ここは涙しかないでしょ。
拍手に不満、という意見も聞きましたが、私は東京で慣れっこですから、驚きませんでしたね。ただ、クラシックに不慣れな聴衆なんでしょう、全体にギコチない感応ぶりでした。
マエストロはこの後直ぐにコロンバスだとか。東京でも聴かせてほしいですね。こんなレクイエムを体験できる機会は、そうあるものじゃない。
ところが、新幹線待ちの間にプログラムをひっくり返してみたら、裏表紙に“本日演奏の渾身のヴェルディ・レクイエムがCD発売されます!”(2008年1月発売予定)とあります。ホンマかいな。
このページはキング・レコードの広告ページ。購入申し込みの手順まで書いてあります。
出演者がすんなりOKを出すのかどうか。道理でマエストロ、いつもほどに“カッカッ”とか“シュッシュッ”というノイズを出していなかった。本格的な録音セッションを組んでいるようには見えなかったけどなぁ~。
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