札幌余禄

先ほどクァルテット・エクセルシオの札幌定期レポートをアップしましたが、今回の札幌ツアーは色々ハプニングもあり、久し振りに「旅」ジャンルに顛末を纏めました。
あくまでも個人的な備忘録ですから、余程興味を持たれた方以外は直ぐに戻るボタンをクリックして下さい。

演奏会カテゴリーにも記しましたが、今春のエク定期は東京公演が都合で行けなくなったため、札幌で同じプログラムを聴こうと決意。比較的早くから家人にフライトと宿の手配を任せ、かなりのワイズ・スペンディングで済ますことが出来ました。ネット社会の便利さでもあります。
ということで、26日の月曜日に鶴見でアルディッティQを聴き、翌朝は8時羽田発のANA便で千歳に向かいます。LCCで更に廉く、というところまでは頭が回りません。何たってご隠居旅ですから。

火曜日、演奏会が行われるのは午後7時から。それまではミニ観光で札幌探索と決め込みました。今回のツアーもどきは有志が二手乃至三手に分かれての行動。私共より早い便で札幌に向かったグループは、どうやら小樽一日観光を敢行した様子。小樽は何度も体験した我々は札幌一本に絞ります。
今回の札幌行で見学したいことが二つありました。一つは最近開館したという六花亭ホールの場所を確認すること。もう一つが、来年秋に開場予定の札幌文化芸術劇場の工事進行状況をこの目で見ること、でありました。
何はともあれ、重い荷物は駅近くの宿に預け、フロントで訊いた六花亭ビルに向かいます。

札幌は碁盤の目に区切られており、システムを理解すれば迷うことはありません。目指す六花亭ビルは札幌駅前の大通りを西に向かえば、「六花亭」と大書されたビルは目の前。
6階にあるというホールは、この日は演奏会の予定がないためエレベーターは止まらず、ホールそのものを見ることは出来ませんでした。それでも場所は抑えましたから、もしこのホールに出掛けることがあれば、目隠しをしても辿り着きますよ、キッと。
ならばと1回の店舗を見て回り、2階の喫茶室でケーキとお茶。さすが全国的に有名なブランドだけあって、甘さ控えめのショートケーキが気に入りました。

一息ついたところで、次は札幌文化芸術劇場と思いましたが、南を見れば観光スポットの赤レンガ庁舎が目に入ります。時間はたっぷりあるし、昼食にも早い時間とあってここにも寄りましょう。
折しも札幌市内はフワフワと雪の様な物体が浮遊しています。赤レンガ庁舎の守衛氏に尋ねると、ポプラの綿毛とのこと。何でも6月の中旬から下旬にかけて2週間ほどは綿毛が舞っているのだそうです。確かにポプラの高木が彼方此方に見られますが、遠目には綿毛を付けているようには見えません。そう言えば去年、ライン川添いの丘陵にも同じようにフワフワが飛んでいたことを思い出しました。
池には丁度ハスも満開で、その周りを回遊してエサを漁るカモたちもフォト・スポット。明らかに日本人より外国人観光客が多い赤レンガ庁舎を後にしました。

丁度小腹も空いたことだし、名物の札幌ラーメンを啜って次なる目的地へ。
その札幌文化芸術劇場予定地は、赤レンガ庁舎から真っ直ぐ東進。途中、いやでもこれまた有名な札幌時計台に遭遇します。実は札幌は何度も来ていますが、時計台を真面目に敢行したことはなく、時間も十分あるということでついつい中へ。なるほど、こうなっていたのか。
音楽好きが目に止めるのは、「時計台の鐘」を作詞作曲した高階哲夫の遺品と資料コーナーでしょう。N響でも弾いていたという高階が使用していたヴァイオリンも展示されており、事蹟を知らなかった私には目から鱗でした。

ということで収穫も多かった時計台の次のブロックが札幌文化芸術劇場の予定地。屋上と思われる所には大型クレーンが2台鎮座し、工事は最盛期と言う状態でした。明らかにオペラ公演が行われるという階は楕円形の鉄骨が連なり、周囲を圧するような佇まいを写真に収めているのは我々位のもの。すれ違った人たちは変な目で見ていたかもね。
この予定地の向かい、南側には電波塔の敷地でもある「わくわくホリデーホール」という建物が建っており、札幌の古い音楽ファンによれば、ここにかつて札響が定期演奏会を催していた札幌会館があった由。札幌のクラシックを語るに、この地は欠かせない場所でもありましょう。

ここまで回ると、流石の老体には疲労感が。丁度宿のチェックイン・タイムとなり、ホテルに戻って仮眠と決め込みました。小樽観光に出掛けたグループはどうしているのか知ら。
さて時間も良し、中島公園に向かうべくホテルを出ると、向こうの通りを一目散に歩いているのはエク・フレンズのM君じゃないか。お~い、と声を掛け、偶然の遭遇に一刻の立ち話。
地下鉄で移動し、暫し中島公園を散策してホール開場の列に並びました。

この日はこれで終了、というワケには行きません。
予め準備して頂いた某居酒屋にて夕食兼、懇親会。とんでもない内輪話も飛び出し、北海道ならでは食材に舌鼓。気が付けば時計は午前2時を回った所。翌日は早いので、未だ盛り上がっているエクセルシオのメンバーに別れを告げ、また東京で会いましょう。

そして2日目、この日は予め予定していたグループ5人が纏まり、北海道中央バスの「北海道いいとこどりツアーに参加」。平日にも拘らず定員ほぼ一杯の状態で、予約して置いて良かった。
このツアーの目玉は3箇所。札幌から西に向かい、ゆにガーデン、夕張メロンの食べ放題、ノーザンホースパークと回ります。メンバー5人が真っ先に飛びついたのは、もちろん真ん中のメロン食べ放題で、我がエクツアーはメロンツアーと化したのでありまする。

前日が遅かったこともあり、バスが動き出すとほぼ全員が舟を漕ぐ有様。それでも「メロン」という単語が耳に入ると、皆パッと目が覚めるのが愉快愉快。
ゆにガーデンは園内をバスが運行する広い空間。みな思い思いにシャッターを切っていましたが、私が思わず目を留めたのはセリを食うキアゲハの幼虫、吸密に夢中なトラフシジミ、大型のスジグロチョウなどでありました、とさ。

次のメロンは全員の目的が一致、大玉を二つに割った一皿を二つ、三つと頬張るメンバーもチラホラ。帰りには財政難の夕張市に故郷納税を兼ねて、お土産をドッサリ購入した昼食でもありました。

満腹になって再びコックリしながらのバス移動。最終目的地は社台ファームが建設したノーザンホースパークという施設。残念ながら当欄専門のサラブレッドは見られませんが、ポニー・ショウや乗馬体験もできる家族向けの施設ですね。
一応施設を見て回り、牧場が見渡せる馬見が丘に移動する途中、ハプニングが起きます。

施設の食堂から呼び声が掛かり、振り向けば何とエクセルシオのグループ。そう言えば前日、彼らは演奏会の翌日は早来でアウトリーチの予定と聞いていましたっけ。それを終えて食事場所に選んだのがノーザンホースパークだったというワケ。
この広い北海道、時間を合わせたわけではないのに、偶然と称するには出来過ぎるくらいの遭遇。両グループとも奇遇に驚きながら、合同写真をパチリ。その絵が某所に貼り出されているようで、“どう見ても一緒に行ったとしか思えん”というコメントも。本当に偶然だったんですよ、写真を見た皆さん。それにしてもこの写真、バスツアー同行の一コマとしか見えませんね。

ま、以上が今回の札幌ツアーのハイライトでした。夜はJRタワーに上ったり、翌日は一旦別れの挨拶をしたグループ仲間と再び六花亭で遭遇したこと、等は全部省略。って、みんな書いちゃったじゃないか。

 

 

 

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