ブレーメンの音楽家たち

二日間ほど遠出をしていたので、今年のプロムス中継感想文も二日遅れとなりました。何れ元のペースに追いつく積りですが・・・。
ということで今回は8月3日に行われたブレーメンからの賓客、ドイツ・カンマーフィルハーモニーと音楽監督のヤルヴィが登場しました。残念ながらN響じゃありません。

8月3日 ≪Prom 26≫
トゥール/フランマ(英国初演)
モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K364
     ~休憩~
ブラームス/交響曲第2番
 ブレーメン・ドイツ・カンマーフィルハーモニー Deutsche Kammerphilharmonie Bremen
 指揮/パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Järvi
 ヴァイオリン/ヴィルデ・フラング Vilde Frang
 ヴィオラ/ローレンス・パワー Lawrence Power

今回の選曲は、レーメンではオケの典型的なプログラム。エストニアの現代作品とドイツ古典ロマン派音楽の組み合わせです。
冒頭はエストニアの作曲家トゥールの弦楽合奏曲で、意外にもこれが英国初演だそうです。題名のフランマとは「焔」の意味。

続くモーツァルトの名曲は、ノルウェーの女性ヴァイオリンとイギリスの男性ヴィオラのソロで。
このサンフォニー・コンチェルタンテ、実は曲者で、モーツァルト自身が弾いたというヴィオラのソロ・パートは通常より半音高く調律し、逆に半音低いニ長調で弾くように書かれています。これによってヴィオラがより輝かしい音に聴こえるという手品のような仕掛け。
この裏技、私は以前に日フィルのマエストロサロンで沼尻氏から聞いたことで、その定期でも実際に清水直子氏が調律を変えて弾いていました。

私は凡人用に書き換えられたオイレンブルクのスコアしか持っていなかったので、早速オリジナルのベーレンライター版をゲットしてその経緯を確認したことがあります。今回はベーレンライター版で試聴。
プロムスのコメンテイター氏もこの話題を取り上げていましたから、今回もパワーは半音高い調律で弾いていたものと思います。

二人のソリスト、拍手に応えてのアンコールは、どうやら楽器を取り換えての演奏。きらきら星変奏曲のアレンジ(グルーズマンの?)を音程の合わない合奏で、実は滅茶苦茶巧いという、会場大爆笑の内に披露してくれました。こういうものは映像が欲しいですね。

後半のブラームス、第1楽章提示部は繰り返し、柔軟性を強調した演奏。こちらもアンミーコールがあって、同じブラームスのハンガリー舞曲第5番を、時にユーモアを交えての演奏。
大喜びの客席に促されて、もう一丁。ブラームス自身の編曲したハンガリー舞曲第10番も演奏されました。

 

 

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