ドヴォルザークの魅力

7日の土曜日、晴海トリトンで行われた古典四重奏団のレクチャーコンサートに行ってきました。
題して「ドヴォルザークの魅力」。

古典四重奏団はこれまでもベートーヴェン、シューベルト、モーツァルト、バルトークと、公演の度にレクチャーを開催してきました。ベートーヴェンの前半は第一生命ホールが会場でしたが、ベートーヴェン後半以降はオフィス・タワーの会議室が使われています。

これまで同様、解説を担当するチェロの田崎氏は、時折ユーモアを交え、ドヴォルザークの魅力を様々な角度から紐解いてみせます。
前半は主に四つのテーマで構成されていて、?舞曲について ?伴奏について ?転調について ?旋律について の夫々が実例を使いながら、解り易ぅ~く分析されていきます。

特に作品106については、第1楽章の第2主題が?と?のテーマの材料として取り上げられ、これまで何気なく聴き過ごしてきた耳にも、ドヴォルザークの作曲の秘密が明らかになっていくのでした。

そして後半、こちらは何とソプラノの佐竹由美(さたけ・なおみ)さんが特別出演、「アメリカについての話」がテーマです。もちろん天下の名曲「アメリカ」四重奏曲を巡るお話なのですが・・・。

ドヴォルザークは三年間、ニューヨークに創設されたナショナル音楽院で教鞭を取るのですが、レクチャーでは当時のアメリカの音楽事情、ドヴォルザークが聴いたであろう当地の音楽、自身の作品への投影などが解説されます。

その関連で、フォスターの「金髪のジェニー」と「夢見る人」、黒人霊歌「静かに揺れよ、素敵な幌馬車」が歌われました。もちろん弦楽四重奏の伴奏です。
黒人霊歌のあとでは、「新世界交響曲」に影響したと言われるその箇所が、聴き比べのためにチラッと紹介されました。

続いてドヴォルザークの歌曲集「ジプシーの歌」から4曲、第1・3・4・7番が演奏されます。4番はかの有名な「我が母が教え給いし歌」ですよね。これを弦楽四重奏伴奏で聴くのは初めての体験。何と素晴らしかったことか。
そして7番「鷹に純金の籠を与えよ」は正に絶唱。会議室のおよそ音楽には相応しくない空間でも、ドヴォルザークの魅力がもろにぶつかってくる思いでした。

そして最後、「アメリカ」四重奏の第2楽章が全曲通して演奏され、レクチャーが締め括られました。
この日取り上げられた歌曲と、前半で演奏された「糸杉」第3曲(弦楽四重奏バージョン)は、クワルテット・ウェンズデイ本編では演奏されませんから、この日だけの貴重な機会でした。(糸杉はひょっとするとアンコールで聴けるかもしれませんが・・・)しかもこれがタダ(無料)。やってくれますねェ、感謝・感謝であります。

ところでドヴォルザークの弦楽四重奏曲の番号はいまいちピンときませんね。「アメリカ」は第12番ということになっていますが、昔は6番でした。小生などはそちらで馴染んでましたので、どうも戸惑ってしまいます。昔8番までだったのが、今は14番までですかね。要するに6曲追加されたのでしょう。

今回の2回シリーズで取り上げられるのは、第1回が12番・10番・11番、第2回が13番と14番です。昔の並びで言うと、夫々「6番・3番・4番」、「8番・7番」の順です。
それならいっそのこと作品番号で「作品96・51・61」、「作品106・105」とした方が解り易いかな。

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