ハタケニラ

毎朝の散歩で見かける路傍の花、というより雑草と言った方が一般的。
季節はどんどん進んで、今や梅雨時の花々が咲き乱れています。
今日取り上げるハタケニラは、名前を調べるのに手間取っている間に花期も終わりを迎えつつある植物。野草図鑑の類には掲載されていません。
何とかネット検索で当たりをつけ、帰化植物の図鑑に載っていることを発見したもの。手頃な値段の「日本帰化植物写真図鑑」(全国農村教育協会刊)を入手して確認しました。
見た感じがニラを連想させます。花を付ける茎がヒョロヒョロっと伸び、白い花が茎のテッペンに房状に出ます。良く見ると、淡い紅色のスジがある6弁花。
どこにでもある、というものでもないようで、私の観察ではやや広い敷地。草取りなどあまりやらない公園やアパートの庭などに多く見かけます。
蝶には人気がある花で、アオスジアゲハ、モンシロチョウ、イチモンジセセリなどが訪れて頻りに蜜を吸っていますね。
帰化植物図鑑に載っていますから、立派な帰化植物。図鑑によると北アメリカ原産で、アフリカやオーストラリアでも帰化している由。多年生なので、生える場所では毎年見られるワケですね。
明治中頃に渡来したらしく、関東地方以西で帰化しているそうな。
ニラみたいですけど、臭いは一切ありません。
学名は Nothoscordum fragrans ノソスコルドム・フラグランス。ユリ科に属しますが、ノソスコルドム属は日本には無いものですね。意味は今のところ判りません。
種名のフラグランスは「香りのある」という意味でしょ。でもこれは明らかにおかしい。だってハタケニラには香りがありませんからね。
ところで帰化植物図鑑、凄いですね。写真ですから同定には厳しいものがありますが、いろいろ考えさせられるコラム満載です。
今日を含めてこれまで10種類の植物を取り上げましたが、7種類は帰化植物です。チチコグサで紹介したウラジロチチコグサももちろん外来種。日本の風景は、特に明治以後劇的に変わってしまったんですねぇ~。

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