マイケル・ベル、クラシック・ダブル達成

昨日はスリリングなGⅠを堪能しました。オークスとコロネーション・カップ、どちらも写真判定に持ち込まれる接戦。先ずはオークス(GⅠ、3歳牝、1マイル4ハロン)から。
枠順発表で紹介したように10頭立て。人気は予想通り3強対決。中でもヨーク競馬場のミュジドラ・ステークスを快勝したサリスカ Sariska に人気が集まり、9対4の1番人気。
1000ギニーに圧倒的人気で臨みながら5着に終わったレインボウ・ヴュー Rainbow View が3対1の2番人気。1000ギニーの敗因の一つに固い馬場が挙げられましたが、今日のエプサムは良馬場ながら固くはなく、好走が期待されます。
セシル師が9度目のオークスを狙うミッドデイ Midday 、伯母がオークス馬という良血が魅力で、5対1の3番人気。
直線の追い比べで先ず脱落したのがレインボウ・ヴュー、最後は先頭に立ったサリスカをミッドデイが猛追する形でゴール・イン。写真判定の結果、優勝はサリスカ、頭差2着にミッドデイ。3着には2馬身半遅れて伏兵ハイ・ヒールド High Heeled が食い込みます。
レインボウ・ヴューは結局4着、勝馬からは7馬身差が付いてしまいました。
タテナム・コーナーを回って直線に向いた時、外を回ったサリスカのスペンサー騎手が一気に内を衝き、弾みで何頭かが連鎖的にぶつかるアクシデントがありました。レインボウ・ヴューもこの不利を蒙っています。
当然ここは審議になり、サリスカが対象になって周囲をハラハラさせましたが、最終的には入線通り確定。ただしスペンサーは5日間の騎乗停止が課せられています。
マイケル・ベル調教師、モティヴェイター Motivator のダービーに続いてエプサムのオークスも制覇。目出度くクラシック・ダブル達成です。
現役ではスタウト、セシル、オブライエン、ボルジャーと並ぶ名調教師の仲間入りを果たしました。
サリスカの母も姉もベル氏が調教、共に1マイル6ハロンに勝ったステイヤー血統です。プロフィールはいずれ紹介する予定。
オーナーはレディー・バーンフォードさん。何でも元スチュワーデス、いわゆるスッチーだそうで、夫のサー・アントニーは長者番付44位の大富豪の由。余計なことかも知れませんが・・・。
オークス以上にスリリングだったのがコロネーション・カップ(GⅠ、4歳上、1マイル4ハロン)。人気は大レースで2着続きのユームザイン Youmzain 、英国内初のGⅠ制覇を目指します。人気もユームザインで2対1。
人気の一角フローズン・ファイア Frozen Fire の逃げで始まりましたが、ゴール前2ハロンで内によれて他馬と接触。ムルタ騎手もスペンサー同様5日間の騎乗停止を食らっています。
ゴールではアスク Ask とユームザインのバトルに、外からルック・ヒア Look Here が食い込む展開。3頭が鼻面を並べたところがゴール。
長い写真判定の結果、優勝はアスク、ハナ差2着に又してもユームザイン、更にハナ差でルック・ヒア。ハナと言っても鼻毛ほどの差で、見る角度によってはどれが勝ってもおかしくない接戦でした。
見た感じでは、あと一歩ゴール板が先ならユームザインが抜けたような感じ。
勝ったアスクは5対1、3着ルック・ヒアは9対2。人気としては順当な結果。
調教師はマイケル・スタウト、騎手はライアン・ムーア、アスクは確かGⅠ6度目の挑戦での初勝利です。
負けたとは言え3着のルック・ヒアは立派。最後から二つ目で直線に入り、そこからの末脚には目を瞠りました。去年のオークス馬、セントレジャー以来の休み明けですから、今シーズンの活躍が大いに期待されます。
この日はもう一つ、ダイオメド・ステークス(GⅢ、3歳上、1マイル114ヤード)が行われています。第1回ダービーの勝馬ダイオメド Diomed の名を冠したレース。
8頭立てで行われ、マック・ラヴ Mac Love が末脚を決めました。
2着に4分の3馬身で1番人気(6対4)のコンフロント Confront 、3着は1馬身差でデポウザー Deposer が続きます。
マック・ラヴは何と8歳の古豪、リッディアード調教師にとっては初めてのパターン・レース優勝です。
仕掛けのタイミングが難しい馬、今日は見事に差し切ったミッキー・フェントン騎手の好騎乗が光りました。
本命で惜敗したコンフロント、どうやら落鉄が若干響いた様子です。

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