五七の雨

このところ地震が頻発しているようです。
今朝は5時を少し回った頃、東京でも大きな揺れを感じました。朝の支度を済ませて散歩に出る矢先。思わずテレビで確認してしまいました。
静岡方面では震度6弱の由、被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げます。
一昨日の日曜日、私は京都にいて不在でしたが、夜の8時前に東京でも大きな揺れがあったそうです。帰ってから子供に聞いたら、拙宅でも棚から物が落ちて軽い被害があったそうな。
大きな地震があると、いつも咄嗟に思い浮かべるのが「五七の雨」。昔、古今亭志ん生師匠がよく枕に使っていた小咄に出てきた文句ですね。
「五七の雨に四つ旱、六八風で九に病」というのが全体。
江戸時代の言い習わしで、大きな地震があった時刻によって、その後何が起きるかを言い習わしたもの。
即ち「五つ」と「七つ」に地震があれば、そのあとは雨が降る。
「四つ」なら旱(ひでり)で、「六つ」と「八つ」は大風が吹き、「九つ」なら伝染病が蔓延するという言い伝えですね。
子供の頃、志ん生の話を聞いて色々調べ、古い資料から見つけました。残念ながら広辞苑には言及がありません。
随分昔にこのことを親父に言ったら、
“なんでそんなことを知ってるんだ。お前は江戸時代の生まれか?” などと冷やかされましたが、古い人なら知ってるかも知れません。
ご存知のように江戸時代の「刻」の数え方は、日の入りと日の出が基準、夫々を「明け六つ」、「暮れ六つ」と決めて、順に「六つ」→「五つ」→「四つ」→「九つ」→「八つ」→「七つ」と進みます。
現代の「時刻」に無理矢理当て嵌めれば、「刻」一つは凡そ2時間に相当する勘定。但し昔の「刻」は現実の日の長さに応じて伸び縮みしますから、季節によって文字通り「日が長く」なったり「日が短く」なったりします。
(「八つ」というのは現在の午後3時ごろに相当しますから、「おやつ」というのは其の頃に食べる軽食の総称。この辺に江戸時代の名残があります)
以上を頭に入れて「五七の雨・・・」に応用すると、日曜の地震は「七つ」時。ということは、雨が降るということ。私は知りませんでしたが、実際に東京地方は激しい雨が降ったんだそうです。大当たりですね。
一方今朝の地震は正に「明け六つ」。ということは、この後大風が吹く、ということになります。
現代の気象情報では台風が接近している由。どうやら風も強まりそうな気配で、これも当りそうですな。
いずれにしても災害は人の生活に支障を来たします。私共は昨日の新幹線で帰郷しましたが、一日ずれていれば、新幹線が止まって立ち往生していた身。間一髪だったと言えなくもありません。
日頃の行いが良かった、などとは微塵も考えませんが、ラッキーだったことは間違いありません。
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