ハゼラン

これは長い間名前が判らなかった雑草です。
雑草と呼ぶのは語弊があるかもしれませんが、拙宅の周りでは何処でも見かけるもの。どうやら明治時代に観賞用に導入されたものが逸出して野生化したようです。
名前が判らなかったのは、通常の野草図鑑の類には掲載されていないからです。即ち日本古来の、あるいは古い時代に日本に入った植物ではない。
私も漸く「気化植物写真図鑑」で見つけました。
それでも確信を得られなかったのは、当図鑑には“花は通常午前中でしぼむ”という記述があるから。
私が朝の散歩で見かける時に、花は決して咲いていないのです。
ネットで「ハゼラン」を検索してみると、あるわあるわ、実に多くの方が写真入で取り上げています。
これによると、花は午後3時頃に咲いて、直ぐに萎んでしまう由。いつもの散歩で出遭う場所に3時頃出掛け、確かにピンクの5弁花が可愛らしく咲いているのを確認しました。今まで花を見なかったわけだ。
ハゼランは「爆蘭」と書くそうです。線香花火のように付いている小さい果実からの連想でしょうか。
別名「三時草」。これは判り易いですが、「三時」という時刻表現からしても明治時代以降の命名であることが歴然。江戸時代なら「八つ」でしょうからね。
スベリヒユ科ということですが、この科は南半球が本来の勢力圏。ハゼランも図鑑の解説では西インド諸島原産の由。
葉の形状を見てもスベリヒユという感じは全くしません。少なくとも科から見当を付けて検索するのは無理でしょう。
学名は Talinum crassifolium 、タリヌム・クラッシフォリウムと読むのでしょう。詳しい解説が載った図鑑がありませんので、意味はよく判りません。
英名は coral flower 。「珊瑚花」の意味ですね。もしかすると果実の印象から命名されたのかも・・・。
図鑑の記載にも時々誤りと思しきものもある、という一例。
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