サリスカ敗れる!

ヨーク競馬場のイボア開催、3日目はレディーズ・デイです。この日組まれたパターン・レースも牝馬限定の2鞍。
設立当初は3歳牝馬限定だったヨークシャー・オークス(GⅠ、3歳上、1マイル4ハロン)も現在では古馬にも解放され、世代を越えた一戦に様変わりしています。
今年の出走馬6頭で何と言っても中心視されるのが、イギリスとアイルランドのオークスを連覇したサリスカ Sariska 。3つ目のオークス制覇はほぼ間違い無しとの見方から、4対11という圧倒的な支持を集めていました。
しかし意外や意外、サリスカはいつもの切れ味を欠き、2着に敗退してしまいました。
本命に4分の3差を付けて優勝したのは、4歳のダー・レ・ミ Dar Re Mi 。3着には1馬身半差でローマン・エンプレス Roman Empress が続きます。
ダー・レ・ミの調教師はジョン・ゴスデン、騎乗したのはジミー・フォーチュン。
サリスカは古馬との初対戦での黒星ですが、馬場が渋った方がより力を発揮するタイプ。今開催のヨークは事前の水撒きやサッと降った雨にも拘わらず馬場が固く、これが敗因なったのかも知れません。
負けたベル調教師は敗因として3つの可能性を挙げています。
①勝ったダー・レ・ミの方が力が上だった。
②サリスカには馬場が固過ぎた。
③レース後にふけ(発情)が見られたことで、これが影響した。
どうやら最も可能性が高いのが③のようです。レース前には徴候が無かったのですが、レース後にサリスカは尾を上げ、獣医の診察でも陽性が確認されました。
これによりサリスカの凱旋門賞には黄信号が灯りました。レース前には8対1を提示していた某ブックメーカーは16対1に下げましたし、賭けの対象から外してしまったブックメーカーもあるほど。
陣営からの正式発表が待たれます。
一方、勝ったダー・レ・ミ。
以前にも紹介しましたが、ミュージカルの大御所ロイド=ウェッバー夫妻の持馬。前走はアイルランドでプリティー・ポリー(GⅠ)に勝っていますから、これでGⅠ2連覇。
去年はヴェルメイユ賞でザルカヴァの2着に食い込んでいる実力馬ですし、去年の3歳牝馬はレヴェルが高かった年。その実力を侮ることこそ間違いなのでしょう。
ダー・レ・ミは前年同様ヴェルメイユ賞を当面の目標にしますが、11月17日に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯にも意欲を燃やしています。
もし日本の土を踏んでくれれば、馬意外にも大きな話題になることは間違いなさそう。
ラウザー・ステークス(GⅡ、2歳牝、6ハロン)は2歳牝馬によるGⅡ、来年のクラシックを占う上でも重要な一戦です。
今年は12頭立て。1番人気(13対8)に支持されたのは、アスコットでプリンセス・マーガレット(GⅢ)を楽勝したレディー・オブ・ザ・デザート Lady Of the Desert 。 ここも問題なく楽勝しました。
2着は3馬身の大きな差が付いてビヨンド・デザイア Beyond Desire 、3着には更に2馬身4分の1でデュバーウィ・ハイツ Dubawi Heights の順。
このレースも馬場の固さを証明するようにトラック・レコードが出ました。
勝馬の調教師はブライアン・ミーハム、騎乗したのはマーティン・ダイヤー。ここは全く危なげない楽勝で、来年の1000ギニーには10対1のオッズが出されています。
レディー・オブ・ザ・デザートの目標は、当面チーヴリー・パーク・ステークスになるでしょう。
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