ツルボ
私の植物日記は日々の散歩で目に止まった路傍の花、多くは雑草として片付けられてしまう植物を取り上げていますが、今日のツルボはチョッと違って私の散歩コースでは見掛けないものです。
このところテレビでもヒガンバナが良く取り上げられますが、私にとってヒガンバナから連想されるのがツルボ。
以前勤めていた会社の近く、赤坂御用地を一周する昼の散歩コースで、その土手にヒガンバナと一緒に良く見たのがこの可憐な花。
拙宅の近くでは、辛うじて品川区民公園の梅園にいくつか見掛ける程度です。
薄いピンク色の小花が星屑のように鏤められた美しいツルボ。日当たりの良い原や土手に群生する様子は見事ですね。
ユリ科の植物なので、球根から育ちます。似たものにノビルや行者大蒜があるように、ツルボの球根も食べられるそうです。少し苦味があって、「ニガホージ」という方言はそこから来るのだそうな。
方言と言えば、「サンダイガサ」という洒落た別名もあって、これは花の形を殿上人が朝廷に参内する時に従者に持たせた傘に見立てたもの。この辺が如何にも日本人的感覚でしょう。
正式和名のツルボは、群生して咲く様子を「連穂」とした、という説と、結実するころに花軸が蔓のように延びるから、という説があるようです。
漢字では後者、「蔓穂」を当てています。
学名は Scilla scilloides スキルラ・スキロイデス。スキルラに似たスキルラという意味で、「鳩山由紀夫に似た鳩山由紀夫」のようなもの。学名のカラクリでこうなったそうですが、何とも変な名前が付いたものですな。
ツルボの群生では、大分以前に千鳥ヶ淵の土手でヒガンバナと共に咲く所を見たことがあります。今もそうかどうかは知りませんが、都内で見られる彼岸花+蔓穂の名所じゃないでしょうか。
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