マノン・レスコーはお好き?

BSハイビジョンのメット特集、第3弾はプッチーニの「マノン・レスコー」です。登場人物の多いオペラなので、主な配役だけ記しておくと、

マノン・レスコー/カリタ・マッティラ
レナート・デ・グリュー/マルチェルロ・ジョルダーニ
レスコー/ドゥエイン・クロフト
ジェロンティ・ディ・ラヴォワール/デール・トレーヴィス
 指揮/ジェームス・レヴァイン
 演出/ジーナ・ラピンスキー

ということでしょうか。
脇役にも人が揃っています。例えば宿屋の主人はポール・プリシュカ(ボエームではブノアとアルチンドロを歌っていました)ですし、弓兵隊の軍曹にジェームス・コートニー(トリスタンでのかじとり役)という具合。
2008年2月とだけクレジットされていて、具体的な日付までは判りません。

私がこのオペラを舞台として観たのは、コヴェントガーデンの公演をレーザー・ディスクに収録したものが最初です。キリ・テ・カナワのマノンとプラシド・ドミンゴのデ・グリューでした。
この印象は陰々鬱々としたもので、幕が進むにつれて暗くなっていくストーリーにあまり馴染めなかったものです。

プッチーニと言えば、「蝶々夫人」にしても前回の「ラ・ボエーム」にしても涙無しには見られません。ビデオで見るなら家人がいないとき、一人こっそり見てオイオイ泣くしかありません。ナマの舞台を見るときは鬼門で、こっそりハンカチを忍ばせていかなければみっともないことになります。

しかしマノン・レスコーだけは泣くこともないですね。その意味では安心なオペラ。

私が考えるに、マノンのようなタイプの女性は日本人にはほとんどいないのではないか。だから彼女の生き方に共感することが出来ない。デ・グリューのような男は案外多いと思いますが、どうもマノンは泣けるような女じゃない。
最後の最後まで“死にたくない” と騒いでいるけど、それは自業自得でしょ。

ということで、今回の公演も冷静に見ることが出来ました。
皆さん、マノン・レスコーはお好きですか?

しかしプッチーニの音楽は素晴らしいですね。このプロダクションも良く出来ていると思いました。
デ・グリューのジョルダーニははまり役でしょうし、何と言ってもマッティラが凄い。

この公演も案内役はルネ・フレミングでしたが、インタヴューでヨガをやって見せるソプラノなんているでしょうか。
マッティラは自分で47歳と言っていましたが、彼女は1960年生まれです。因みにインタヴューしているフレミングは一つ年上の1959年生まれ。昨日のヒロイン、ゲオルギューは1965年生まれですよ。

幕間で動物遣いの人たちへのインタヴューがあって、これは驚きましたね。生きた動物が登場するオペラがそんなにあったっけ、と感心しましたし、ホンモノの動物を登場させるメットも流石。専属?訓練師がいることにも驚き。
日本ではどうなんでしょうか、チョッと考え難いですね。
(マノン・レスコーでは第2幕に犬が出てきます。うっかりすると見落とします)

 

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