ホトケノザ

春は様々な花が一気に開花するので、少しサボっていると紹介する機会を失ってしまいます。

ホトケノザも春の七草の一つ、と言いたいところですが、現在正式に和名登録されているホトケノザは、古来の「仏の座」とは異なります。春の七草に挙げられている仏の座は、現在ではキク科のコオニタビラコだということになっています。

現在のホトケノザは、別名サンガイグサ。葉が段々になっているので「三階草」ということでしょう。一方ホトケノザとは、葉の形が如何にも仏さまの台座に似ているから。
他にカスミソウと呼ぶ地方もあるそうです。

都会の道端では最も普通に見られるもので、如何にも「雑草」という顔つき。車の埃に塗れて葉が白くなっているのもありますが、あまり憐憫だという情は沸いてきませんね。見るからに食べれば不味そうで、実際に食糧にはなりません。

しかし良く観察してみれば、花の形が独特で魅力的。専門用語では「唇形花」と呼ぶのだそうです。

更に、ホトケノザの花には普通の花の他に開花しないもの、つまりツボミのままで実を結ぶものもあって、これは閉鎖花と呼ばれる由。閉鎖花は、自分の雄蕊と雌蕊で受粉する仕組み。何とも生物の生態は多様であると感激するじゃありませんか。これに比べると人間はワンパターンだと思ってしまいます。

道端で見かけるホトケノザ、ジックリと花の形を観察してみては如何? 独特な形のピンクの花のほかに、蕾のままのピンクも見つかります。それが閉鎖花。

学名は Lamium amplexicaule ラミウム・アンプレクシカウレ。属名のラミウムは、ギリシャ語のラミノス(のど)に由来するのだとか。
種名は茎を抱く、という意味で、ホトケノザの葉が茎を抱くように付くことから来ています。

 

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