コミカンソウとブラジルコミカンソウ
今日は道端で見かける植物です。素人目には「雑草」としか呼べませんね。
二つの名前を挙げましたが、私には区別が難しく、これまで取り上げるのを躊躇ってきました。
コミカンソウは、花が目立たないトウダイグサ科に属する植物で、季節が暖かくなると、小さな二列に並んだ葉の形が目に留まる植物です。ど素人の私などはてっきりマメ科の植物だろうと当たりを付けて図鑑を探しましたが、まるで名前が判りませんでした。
ですから、これが「コミカンソウ」という名の植物で、他に良く似た「ブラジルコミカンソウ」なる帰化植物もあることを知ったのはごく最近のことです。
名前のように、小さな蜜柑状の果実が付くので命名された由。見つけたら葉をひっくり返してみてください。なるほど蜜柑と言えば蜜柑のような実がいくつも並んでいます。
ただ、拙宅の近くで見つかるものは、ほとんどが同属のブラジルコミカンソウらしいのです。らしい、と言うのは、どうにも区別が付き難いから。夏から初秋にかけては、蜜柑を吊るす柄が短いのがミカンソウ、長いのがコミカンソウという区別点しか無いようなのですね。
ところが今頃、10月の半ば近くになってくると、両種の違いが明瞭に出てくることが判りました。
即ち、コミカンソウは一丁前に紅葉するんですな。葉も全体に赤みを帯びてきますし、ミカンも赤く熟してきます。
これに対し、ブラジルコミカンソウは緑のまま。見比べれば、ブラジルの方は背も高いし、蔓延り方も旺盛な感じがします。
私の散歩範囲では、ブラジルコミカンソウの方が圧倒的に多い。コミカンソウを確認できたのは2箇所だけで、どちらも態々鉢植えにしているお宅か、庭の側溝に植えられたもの。野生で生えているコミカンソウには出会っていません。
ブラジルコミカンソウはインド洋諸島が原産だそうで、1992年に福岡県で発見され、現在では東京でも各地で野生化しています。
ただ私が判別できるのはここまでで、コミカンソウ属にはヒメミカンソウという別種もあり、キダチミカンソウという別の帰化植物も確認されているのだそうです。
(キダチコミカンソウは石垣島、大東島だそうですから、現在のところは本土では見つかっていないようですが・・・)
コミカンソウの学名は、Phyllanthus urinaria フィルランツス・ウリナリア。種名のウリナリアは「尿道の」という意味ですから、あるいは薬用としての効果があるのかも知れません。手持ちの図鑑には一切触れられていませんし、そうした記述も見つかりません。
他方、ブラジルコミカンソウは、Phyllanthus tenellus フィルランツス・テネルス。こちらの意味は判りません。
なお、ブラジルコミカンソウは果柄(果実を支える柄)が長いことから、ナガエコミカンソウという和名で呼ばれる場合もあるのだそうです。図鑑によってはこれで掲載されていました。
名前のブラジルは言掛りみたいなもんで、南米でも帰化植物とのこと。ナガエコミカンソウの方が紛らわしくなくて良いかもネ。
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