人名の難しさ

暇潰しネタ

今朝面白いことがありました。日本フィル・コミュニティのタイプ・ミス(誤字)を指摘して下さった方がおられたのです。ということは、細かい部分まで読まれている方がいる、ということでもあり、励みになりますねぇ。ありがとうございます。

内容はソプラノの菅さんのお名前を「管」と誤記してしまったこと。で、気になったのでもう一人の有名人「なおと」氏を検索で調べてみたところ、ブログなどでは間違えて表記されいてるものが多いですねぇ。誤記の方が多いくらいです。

今回は単純な「誤り」ですが、一概にミスとばかりは言えない事例もありまして・・・。

さて「菅」と「管」はまるで意味が違います。「菅」は蓑笠などにするスゲに充てた字ですから、草冠。
「管」は管楽器に代表されるように、「くだ」ですよね。だから名前の場合に「管」を「すが」と読むことはあり得ないわけです。こういうことに気が付かないのだから、ワレはアホじゃ。

ところで名前となると事情はもう少し複雑。現在はどうか知らないけれど、以前は名前に使える文字を制限していたことがあって、ある資料によると「管」はOKだけれど「菅」はダメ。
ワープロの変換などで出てくる文字の順番は、こういうルールを反映させていると思われるので、「かん」とタイプすると「管」が優先されるのじゃないかしら。画数なら「菅」の方が少ないですからね。

で、名前に戻ると、「管」という苗字はほとんどないようです。人名録などでも「菅」だけですね。
(この理由は、私なりに想像がつくんですが、いろいろ差障りがありますので書きません)

これに「野」や「原」をつけても同じで、菅野や菅原は「菅」を使います。「すがわら」と「すがの」は読みから言って「菅」が当然ですが、「かんの」となると「管野」「菅野」の二通りがあります。
これも圧倒的に多いのは菅野。管野で出てきたのは明治時代の女流社会主義者「管野すが」。なんとも紛らわしい名前ですが、荒畑寒村と結婚したり、幸徳秋水の愛人だった人。寒村や秋水は祖父と親交があったから、あるいは我が祖父とも面識があったかも。
意外なところで縁がありますナ。

苗字にしても名前にしても気を遣いますね。日本フィルで言えば渡邉暁雄さん。「わたなべ」は「渡辺」「渡邉」「渡邊」と三通りありましょう。チョッとした人名辞典ですら全て渡辺で統一してしまっています。厳密に言えば、渡辺暁雄は間違い。人名ですからね。

広上淳一も、本来は「廣上淳一」だったように思います。「廣」だってよく似た別字があります。このワープロ機能じゃ出てこないけれど、その字を使う「すえひろ」さんに怒られたことがありますもん。
(広神って言ってた人もいましたっけ)

げに人の名前は難しい。字だけじゃなく、読みにしたって「ひろかみ」なのか「ひろがみ」なのか。「おたか」なのか「おだか」なのか。
私の名前だって間違われる方が多いですしね。自分の場合は“拘りませんから”と鷹揚にしているけれど、それが基で年金記録に誤りが生じたりする。
特に人様のことは気をつけなきゃいけません。ということで、反省方々勉強もしてみました。

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