ビエロフラーヴェクとBBC響

BBC3で放送中の今年のプロムス、一つ飛ばしてBBC響の演奏会を聴きます。7月25日(水)に行われたコンサート。

≪Prom 15≫
スメタナ/弦楽四重奏曲第1番「我が生涯より」(ジョージ・セル編オーケストラ版)
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
     ~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第7番
 管弦楽/BBC交響楽団
 指揮/イルジ・ビエロフラーヴェク
 ヴァイオリン/ヴァディム・グルーズマン

日本にもお馴染みのピエロフラーヴェクは、BBC響首席としてのファイナル・シーズンを迎えています。このオケとはマルティヌーの交響曲全曲演奏会を敢行、事前に日本フィルに倣ってマエストロ・サロンを実行していたのも話題でした。
今シーズンはドヴォルザークの珍しい歌劇「ジャコバン党」を演奏会形式で紹介したり、スペイン、ドイツえの演奏旅行、プラハの春フェスティヴァル出演など大活躍。客席も、そうした実績に応えての大声援を送っていましたね。

最初に演奏された有名なスメタナの弦楽四重奏曲をジョージ・セルが管弦楽にアレンジしたものは、今回がプロムス初演だそうです。オケを熟知したセルのアレンジだけに、最初からオーケストラ曲として書かれたように「らしく」響きます。セルがアメリカに渡った直後にオーケストレーションしたもので、トスカニーニが君臨していたNBC響で初演。金管やハープを巧みに使っていて、ドヴォルザークのオーケストレーション(特に第7交響曲)を思わせます。
私もセルの録音で聴いてきましたが、それ以外の演奏を聴くのは今回が初めてでした。日本で演奏されたことはあるのでしょうか? スコアがあれば買いたいほどですよ、ね。

プロコフィエフを弾いたグルーズマンは今回がプロムスのデビューだそうです。シカゴのストラディヴァリウス財団が貸与するレオポルド・アウアーが使用していた1690年代制作のストラディヴァリウスによる演奏。
アンコールがあり、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番の第1楽章。「脅迫概念」と題された楽章で、バッハの無伴奏のいくつかのテーマに怒りの日が加えられた短編。

最後はドヴォルザークの交響曲ですが、第7番はロンドンのために書かれ、ピカディリー(セント・ジェームス・ホール)で初演されたもの。それとなく五輪へのオマージュになっているみたいです。

バレンボイムのベートーヴェン・ツィクルスでは第2夜以降封印されていた楽章間の拍手が復活していました。

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