英国からブラジルへ
昨日のプロムスは、終わったばかりの五輪の余韻を引き摺ったコンサートでした。
≪Prom 45≫
ドヴォルザーク/交響曲第9番
~休憩~
コープランド/市民のためのファンファーレ
ジョーン・タワー/Fanfare for the Uncommon Woman 第1番
ヴィラ=ロボス/Momoprecoce
ヒナステラ/バレエ組曲「エスタンシア」
管弦楽/サン・パウロ交響楽団
指揮/マリン・オルソップ
ピアノ/ネルソン・フレイレ
ブラジルのサン・パウロ交響楽団はこれがプロムス・デビューだそうです。指揮者のオルソップは今年から同オケの首席指揮者に就任。ファレッタ、マルッキに続いて今プロムスに登場する3人目の女性指揮者ですね。
プログラムは一見して判るように、南北アメリカを意識したもの。もちろん4年後を意識しての選曲でしょう。
ドヴォルザークは言うまでもないでしょうが、これまた女流作曲家ジョーン・タワーも少女時代の一時期をボリヴィアで過ごしたとのこと。ヴィラ=ロボスはある種のピアノ協奏曲ですが、ソロのフレイレは作曲家と同じくブラジル出身のピアニスト。
後半、最初に並べられたファンファーレは対照をなすもので、コープランドは for the 「Common Man」、タワーはこれを捩って作ったわけで、冒頭はコープランドと同じ開始です。
このファンファーレはシリーズに発展し、現在は5番まで続いているそうな。この1番はオルソップとヒューストン交響楽団のために書かれ、オルソップに捧げられた作品。
ヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲は、「モモプレコッセ」と読むそうです。「モモ」は祭りの王様 「プレコッセ」は子供たちのこと。これがプロムス初演となります。
1929年の作品で、8つの部分から構成されますが単一楽章。マグダ・タリアフェロのために書かれ、タリアフェロのソロ、モントゥー指揮によりアムステルダムで初演されました。
このオケは初めて聴きました。ドヴォルザークはチェコや普段耳にしているオーケストラに比べて軽い音に感じたのは先入観でしょうか。後半は明らかに水を得た魚。ヒナステラのリズム感は南米ならでは、か。
アンコールとして更にノリノリな舞曲が演奏されましたが、曲名は良く聴き取れませんでした。ブラジル舞曲、ということにしておきましょうか。客席の沸き方も超弩級。
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