ドーヴィルの3歳戦2題

昨日の水曜日、ドーヴィル競馬場では2鞍のパターン・レースが行われています。馬場は good to soft 、フランスも雨が勢を盛り返しているようですね。

リューレー賞 Prix Lieurey (GⅢ、3歳牝、1600メートル)は3歳牝馬のマイル戦、10頭が出走してきました。1番人気(5対2)のサーキーラ Sarkiyla は、前走シャンティーのリステッド戦(1600メートル)を含めて4戦3勝の馬。
2歳時はイタリアで走り、今年から本命馬と同じロワイヤー=デュプレ厩舎に移籍して前走プシケ賞(GⅢ)3着のバギー・ダモーレ Bugie d’Amore が2番人気(4対1)。ドイツ1000ギニー2着で、前走ドイツのGⅢに勝ったチェリー・ダノン Cherry Danon が3番人気(5対1)で続きます。

英国(ウイリアム・ハッガス厩舎)から遠征したアルサーディ Arsaadi が逃げましたが、中団から抜けたサーキーラが後方から追い込む伏兵(11対1)フォーリン・チューン Foreign Tune を頭差抑えて優勝。1馬身4分の1差3着にも人気薄(14対1)のドリーム・クローヴァー Dream Clover が食い込みました。バギー・ダモーレは8着、チェリー・ダノンも9着と期待を裏切っています。

サーキーラはアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・ルメール騎乗でアガ・カーンの持馬。ドーヴィルには滅多に来ることの無いアガ・カーン氏ですが、この日は珍しく来場して愛馬を祝福していました。このレースには追加登録料を支払って参戦した由。陣営では血統的に1600メートルがギリギリと見ているようで、今後もマイル路線を歩む馬でしょう。
一方2着のフォーリン・チューンは、前走で勝馬と同じシャンティーのリステッド戦に走って4着した馬。その時は2馬身ほどの着差がありましたが、今回は頭差まで迫って成長を印象付けています。

続いてはギョーム・ドルナーノ賞 Prix Guillaume d’Ornano (GⅡ、3歳、2000メートル)。去年は牝馬のガリコヴァ Galikova が制したレースですが、今年は牡馬ばかり9頭が出走してきました。
前走ジャン・プラ賞(GⅠ)を制したイソップス・ファーブル Aesop’s Fables も出走してきましたが、低レヴェルのGⅠ戦を人気薄で勝っただけに10対1の3番人気と余り信用されていないようです。6対4の1番人気に支持されたのは、ギッシュ賞(GⅢ)の勝馬で仏ダービー2着、パリ大賞典3着のサン・ボードリーノ Saint Baudolino 。2番人気(5対2)はアガ・カーンの新星アシュキール Ashkir でした。

レースは英国の2頭、リワーディッド Rewarded (ジェームス・トラー厩舎)とスターボード Starboard (ジョン・ゴスデン厩舎)が引っ張る展開。スローペースに落ち勝ちなフランス競馬では先行有利という判断でしょう。
しかし鞍上マキシム・グィヨンが抜け目なく先行馬をマークした本命サン・ボードリーノは、じっくり待って先行馬を捉えての楽勝。3馬身差2着には、3番手を進みながら一旦後退したイソップス・ファーブルが差し返しています。ハナ差3着にアシュキールと順当。

終わって見ればアンドレ・ファーブル厩舎のワン・ツー、そしてゴドルフィンのワン・ツー・フィニッシュでもありました。クラシック戦線で入着、今回のGⅡを楽勝したサン・ボードリーノは当然ながら凱旋門賞の候補に挙がってきました。もちろんゴドルフィンもその積りでしょう。オッズはブックメーカーによってまちまちですが、14対1から20対1。上がり馬であることは間違いなさそうです。

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