プロムスのウィーン・フィル(1)

今年のプロムス、ラスト・ナイトのBBC響を除けば愈々最後のオーケストラの登場です。昨日と今日の二日間は名門ウィーン・フィルによる演奏会。
9月6日、その第1回目のプログラムはこれ。

≪Prom 73≫
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第9番
 管弦楽/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/ベルナルド・ハイティンク
 ピアノ/マレイ・ペライア

演奏曲目が保守的であることでは、ウィーン・フィルとN響は東西の両横綱。ほとんど何も付け加えることもありません。
ペライアとハイティンクは長年に亘って共演を重ねてきた仲、ハイティンクはペライアをピアニストと言うより作曲家だ、と評しています。カデンツァはベートーヴェン自身のもの。第1楽章はもちろん長い方を一音も揺るがせずに弾きました。
客席からのアンコール要求にもペライアは応じず。

ハイティンクは若い頃からブルックナーの熱心な伝道者でした。ウィーンの巨匠の音楽が世界中で認知されるようになって数多くの「ブルックナー指揮者」が生まれては消えていきましたが、ハイティンクは正に筋金入りのブルックナリアン。そういう演奏でしたね。
最近は第4楽章補筆完成版を演奏するのが流行のようですが、ハイティンクは4楽章版は絶対にやらないと断言しています。それは間違い、とまで言ってますが、人は人と、あくまでも個人としての主張。

初日のコンマスはライナー・キュッヒルでした。相変わらずウィーン・フィルは縦線が合いませんが、そこに音楽があるのが独特な個性と言えるでしょう。それはアルバート・ホールて聴いても同じです。

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