プロムスのウィーン・フィル(2)

いつも朝の散歩から帰ってくると午前5時を少し回った頃、今朝もクールダウンしながらBBC3にチャンネルを合わせると、丁度プロムス公演が終了する時間。シュトラウスのアルプス交響曲が静かに日没を告げる頃、東京は日の出を迎えていました。
何気なくロンドンの喝采を聴いていると、アンコールが始まります。同じシュトラウスでもヨハンの「春の喜び」。これが実に素晴らしかった!! 演奏に気品があること、そのしなやかな音色に思わず涙が出ました。聴き古したワルツですが、ハイティンクのシュトラウスには、これまで聴いたどの春の喜びにもない「音楽の喜び」が溢れていました。
何でウィーン・フィルはニューイヤー・コンサートにハイティンクを選ばないのでしょう。例によってアンサンブルはバラバラなのですが、その合わなさ具合が最高。音楽って何? と改めて考えてしまったのが、プロムス通常公演の最後を締め括るコンサートです。

≪Prom 75≫
ハイドン/交響曲第104番
     ~休憩~
R.シュトラウス/アルプス交響曲
 管弦楽/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/ベルナルド・ハイティンク

改めてプログラムを最初から聴き通しましたが、ハイドンにしてもシュトラウスにしても、音楽的にこれ以上のものは無いでしょう。正直な話、ウィーン・フィルより巧いオケはいくらもあるし(もちろん日本にも)、アンサンブルもテクニックも、これがコンクールなら予選も突破できないでしょうね。
でも音楽は体操競技じゃありません。もちろん一般的な意味での最低限の演奏技術は必要ですが、それだけじゃハイドンもシュトラウスも人を感動させることは出来ません。これがウィーン・フィルの不思議な所だし、シュトラウスが最後のロンドン公演を振ったのと同じ年齢、80代を迎えたマエストロの真骨頂でしょう。

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1件の返信

  1. 職歴書 より:

    とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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