アオマツムシ

自然ネタ

昨日は暦どおり処暑で暑さも一息かと思いましたが、何のことはない、また今日から暑くなるんだとか。
毎日の通勤帰り、大井町から20分ほど歩いて帰るんですが、公園の近くに差し掛かるとセミの大合唱に迎えられます。

ところが昨日はセミに交じって、アオマツムシがいやに目立ちましたね。お盆から秋口にかけて目立つコオロギの1種。
本来は日本にいなかったもので、原産は中国あたりらしい。

日本古来のコオロギは、キリギリス、カンタン、スズムシ、マツムシなどどれをとってもほぼ間歇的に鳴きます。歌に「間」があって、それが日本人の感性にマッチ。
ところがアオマツムシは、声が大きいこと、数も多い所為もあるでしょうが、“リョー・リョー”と鳴いて休止がない。鳴きっ放しでパウゼが入らないから、暫く聞いていると“うるさぁ~い!!”

真に西洋的というか中国的というか、日本文化にはそぐわないのであります。

こやつ、ケヤキの高木などで生活していて、決して地上には降りてきません。音は上から降ってきます。だから姿を見た人は少ないようですね。アオマツムシなんて知らない、という人が圧倒的多数でしょ。
晩秋、落ち葉に混じってこの死体を見ることがありますが、名前の通り青、というか緑色。しかし風体はゴキブリを連想させます。まさに「緑のゴキブリ」。

ある年のお盆、霧が峰からの帰りが遅くなって闇の中を新宿に差し掛かったら、車窓からアオマツムシの大合唱が聞こえてきたことにギョッとしたことがあります。

東京では戦前から多かったんだそうですが、大空襲で街路樹が全滅。これと共にアオマツムシも絶滅したんだと古老が言っていました。
ところが経済復興に足並みを揃えるようにアオマツムシも復活。
東京の夜はセミとアオマツムシの二重コーラスで、寝付けない夜がますますウルサく、煩わしい刻を重ねているのであります。

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