ショスタコーヴィチの驚くべき裏技
音楽ネタ
ミクシィに登録して書き始めた日記、最初のネタが「ドヴォルザークの魅力」と題する、古典四重奏団のレクチャー・コンサートのレポートでした。
今日はその続き、2007年版のレクチャー、「ショスタコーヴィッチの驚くべき裏技」を聞いてきました。
去年のドヴォルザークは10月初旬でしたから、まだ1年経っていないんですね。まぁ、性懲りもなく日記ばかり書いていることヨ。よほど暇なんですね、ワタクシ。
古典四重奏団の今年のテーマはショスタコーヴィチ。来シーズンと合わせて全15曲の全曲シリーズになります。
今年は10月3日、10月17日、11月7日の3回に分け、作曲順に3曲ずつ取り上げます。1番から9番まで。
今日はサンプルをいくつか提示しましたが、“3日間とも来て下さいね”が本音でしょうか。
いつものように田崎瑞博氏の解説。
プログラムというか、内容は、前半がショスタコーヴィチの第1番の第1楽章の全曲演奏で開始し、古典派やロマン派、あるいはバッハを引用しながらショスタコーヴィチの音楽史上における位置を確認していきます。
天才としてスタートし、ソヴィエト共産主義に翻弄されながらも音楽で自らを表現していった過程。
「音によって何を表現するか」について、各時代の様式の変化。ドビュッシー、モーツァルト、バッハもサンプルが取り上げられます。
後半は“様々な舞曲について”。ショスタコーヴィチは決められた様式の範囲内で、判りやすく明朗な音楽を創っていった。
その事例として、1番から9番までのクァルテットからポルカ、行進曲、葬送行進曲、スケルツォ、速いワルツ、遅いワルツ、メヌエット、レントラー、バルカローレ、サラバンドがサンプル演奏されます。
この視点は初めて接しました。なるほど明確に書かれてはいないけれど、舞曲が多いんですね。
ここではショスタコーヴィチとモーツァルトの共通点も披露。これは田崎氏の個人的な見解。
最後はショスタコーヴィチの弦楽四重奏の中でも特異な作品である第8番の紹介。最後に第5楽章が全曲演奏された、と聞けば、ショスタコ・ファンならピンとくるでしょう。そう、DSCHが如何に巧みに織り込まれているか。
ショスタコーヴィチは自作品について多くを語っていません。それを読み解くことが演奏家や聴衆に課せられた課題。
ショスタコーヴィチの言葉。
「必要なのは勇敢な音楽である。勇敢な音楽というのは、音調のかわりに図式かなにかで示されることではなく、それが真実の音楽だという意味である。」
ホォー、それがショスタコーヴィチの裏技であったか!
私的なスケジュールに支障がなければ、3回のコンサート、真実の音楽を求めて晴海に通いましょうゾ。
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