アルデッティQとバンベルク響の共演

7月15日の「プロムス 5」は、ドイツのバンベルク交響楽団を迎えての演奏会。首席指揮者のノットは東京交響楽団のシェフに就任することが決まりましたから、注目の公演。
で、曲目もコテコテのドイツ音楽を並べたもの。ラッヘンマンは東響との縁もあったようですから、尚更でしょう。
 
ラッヘンマン/ドイツ民謡による舞踏組曲(イギリス初演)
     ~休憩~
マーラー/交響曲第5番
 バンベルク交響楽団
 指揮/ジョナサン・ノット
 アルデッティ・クァルテット

その前半、ラッヘンマンは演奏に40分近くかかる大作。作曲自体は1980年頃だったと思いますが、今回が英国初演だそうです。日本ではやったのかしら。尤もこれはアルデッティでなければ演奏不能かもね(アルデッティは録音もしている由)。ディオティマでも出来るかな。
ラッヘンマンは、そのディオティマが晴海で「精霊の踊り」とかいうクァルテットを演奏したのを聴きましたが、普通の弾き方はほとんど出てこない作品。ヴァイオリンと弓を構成しているあらゆるパーツを叩いたり、引っ掻いたり、擦ったりして音を出す。“これが音楽かぁ”と仰天した記憶があります。
今回の四重奏協奏曲も同じ趣向。タイトルのドイツ民謡が何処かに隠されているのかも知れませんが、サッパリ判りません。それでもリズムだけ気を付けていると、何となく判り易く聴こえるから不思議。ノリの良い所もあったりして。

スコアでもあればもっと内容に食い込めるのでしょうが、生憎買おう、という気にはなりません。譜面はブライトコプフから出ているようで、欲しい方はチャレンジしてみては・・・。
ディオティマの時は晴海が超満員、お客が熱狂的で異様な雰囲気でしたが、あれは何か仕掛けでもあったのでしょうか。演奏後には作曲家もステージに上がり、プロムスの聴衆も熱烈な拍手で歓迎していましたが、晴海はラッヘンマン不在でももっと凄かった。

後半のマーラーは、対抗配置。ファーストの右にチェロがいて、下手奥にコントラバスが陣取っているのがネットの貧弱な音響でも聴き取れます。ハープは右から。
第1楽章と第2楽章は続けて演奏し、全体を3部構成として解釈していたようです。出だしは何となくアンサンブルもモタついているように聴こえましたが、尻上がりに良くなっていくのは流石にドイツのオケ。
プロムスでは良く楽章間に拍手が入りますが、今回はそういうこともなく、客席の集中度は相当なもの。その反動か、終わった後の拍手喝采は相変わらず熱狂的。プロムスの嵐、ですね。

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