辻井伸行のプロムス・デビュー
7月16日の ≪Prom 6≫ は、日本でも話題になっている辻井伸行のプロムス・デビューでした。共演は今春、佐渡裕の指揮で日本各地を回ったBBCフィルとの共演です。
プログラムは以下のもの。
デヴィッド・マシューズ/海の幻影(BBC委嘱作、世界初演)
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
~休憩~
ニールセン/交響曲第4番
BBCフィルハーモニック
指揮/ファンホ・メナ
ピアノ/辻井伸行
最初は今年のBBCプロムス委嘱作品の第2作、今年70歳を迎えるデヴィッド・マシューズの新作。もちろん世界初演です。
マシューズは弟のコリンと並んで英国を代表する作曲で音楽ライターでもあります。私は作曲は余り聴いた記憶はありませんが、ティペットの評伝を読んだことがあります。ティペットを知ったのはこの人のお陰。
そのプロフィールは自身のホームページを見て下さい。
http://www.david-matthews.co.uk/homepage.asp
今回の新作は、シェリーの詩に暗示を受け、自身の住まいでもあるケント州の海の情景を描写的に描いた交響詩風の作品。演奏には20分ほど掛かります。
聴けば納得されると思いますが、ドビュッシーの海を連想させるような作品。英国保守派の作曲家らしく、真に聴き易い内容。真ん中より後半と、最後にティンパニが大活躍しますが、この辺りは当演奏会のメインであるニールセンの向うを張ったようにも感じられました。
マシューズはほとんどがフェイバーから出版。この出版社のスコアはサンプルがネットでも公開されていますし、作品の入手もクリック一つで簡単です。交響曲は第7番まであるようですが、いすれ今回の新作もカタログに載るでしょう。
前半の最後は我が辻井伸行登場。先のツアー同行もあって、辻井とBBCフィルは特別な絆で結ばれているとのこと。団員は彼を「のぶ」と愛称で呼んでいる、ということがアナウンサーから紹介されていました。
曲目は得意のラフマニノフ。演奏が終わるとロイヤル・アルバート・ホールの聴衆は総立ちのスタンディング・オヴェーションで迎え、アンコールにリストのラ・カンパネラが演奏されました。
ロンドンの暖かい聴衆の歓迎は感動もの。楽章間では拍手も入るコンサートです。
最後はニールセンの、正に音楽そのものの「不滅」を表現した大曲。2台のティンパニは、舞台に向かって左に1番、右に2番が明確に分かれて効果を挙げていました。
このコンサートはテレビ放送も行われていますから、いずれ日本でも放送されるでしょうし、DVDというメディアも注目すると思われます。
こんにちは。 アメリカから~ 私は辻井伸行くんのファンです。
Please forgive me for not being able to write in Japanese.
I am in America, and I too listened to this concert. The performance of Tsujii-san was a big success. The warm reaction of the audience, especially the standing ovation, is a tribute to Tsujii-san.
Japan should be proud of him.
アメリカからコメントありがとうございます。
一部ですが、海外からも映像を見ることができます。全体が放映されるのを楽しみに待ちましょう。