古楽器による「春の祭典」

7月12日の金曜日に開幕した今年のプロムス、Proms 2と3は二度に分けて行われた英国の人気テレビ・シリーズ「ドクター・フー」の音楽だったのでパスです。
怪獣の縫い包みも登場する舞台、現地では家族連れにも大受けだったみたいで、クラシックのコンサートが普通のエンターテインメントとして定着しているロンドンに改めて感心しました。会場ではカメラをパチパチやっている人も大勢いたみたいで、日本みたいに堅苦しいことは言わないのは流石ですな。

で、今朝は7月14日の「プロムス 4」を聴きました。フランスの古楽器楽団「レ・シエクル」登場。

リュリ/町人貴族~序曲と舞曲
ラモー/華やかなインドの国々~舞曲集
ドリーブ/コッペリア抜粋
マスネ/ル・シッド~バレエ音楽
     ~休憩~
ストラヴィンスキー/春の祭典
 レ・シエクル
 指揮/フランソワ=クサヴィエ・ロト

要するにフランスのバレエ音楽シーン400年?を概観しようというコンサート。今年初演100年を迎える「春の祭典」を当時の楽器で再現しようという所もミソになっています。

どうも私は古楽器演奏は馴染がありませんが、これは面白いですよ。アレルギーのある方も理屈抜きに楽しめるはず。
レ・シエクルという団体は結成して10年になる、とBBCのアナウンサーが紹介していました。指揮者のロトはかなり個性的(失礼)な御面相ですが、合間に流れるインタヴューは中々の聴きものです。

古楽器といってもバロック、ロマン派、近代では当然ながら違うもので、何種類もの楽器を使い分けている由。これもインタヴューで聞くことができますよ。
リュリとラモーはフランス・バロックで、二人の間には半世紀ほど隔たりがありますね。管楽器奏者(14人だそうな)は立って演奏しているようです。

ドリーブとマスネは最近のオーケストラ演奏会から締め出されて久しい作品たち。改めて聴いてとても懐かしく感じました。
コッペリア抜粋は2曲だけ。最初に有名なワルツ、次は序奏のホルン合奏からマズルカに続いての演奏。
マスネは学生時代にマルティノンのLPで何度も聴きましたっけ。こういう音楽こそナマで聴きたい、マーラーやブルックナーばかり聞かされる昨今の習慣には辟易だ、と改めて思います。ブラヴォ~、レ・シエクル!!

ハルサイは単に当時の楽器というだけでなく、初演時のオリジナル版での演奏でもあります。それがハッキリ判るのは最後の練習番号189からの弦楽器の刻み。現行版とは違いピチカートで弾かれるのがネットでもはっきり聴き取れました。
他に第1部の「春のロンド」、練習番号55の2小節目と3小節目の間に短いパウゼが入るのでドキッとします。オリジナル版がそうなっているのか、ロトの解釈なのかは不明ですけど。

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