音楽世界旅

7月18日の ≪Proms 9≫ は指揮者ソンデガードのプロムス初登場、BBCウェールズ響のコンサートです。指揮者の名前、ぶらあぼではセンデゴーと書かれていますが、アナウンサーの発音を聞いているとどうしてもソンデガードと聞こえます。ということで、ここは英国人の発音で記しておきました。
プログラムは、BBCの解説によれば北欧の森、ペルシャの庭、そしてアルプスの雪ということで、言わば音楽による世界旅行でしょうか。それにしても良く鳴る作品、大規模な管弦楽編成を並べたものです。

ステンハンマー/エクセルシオ!
シマノフスキ/交響曲第3番「夜の歌」
     ~休憩~
R.シュトラウス/アルプス交響曲
 BBCウェールズ交響楽団
 指揮/トーマス・ソンデガード
 マイケル・ヴェイニウス(テノール)
 BBCシンフォニー・コーラス、BBCウェールズ合唱団

冒頭の序曲は日本ではほとんど知られていませんが(タイトルのエクセルシオは日本随一のクァルテットの名前。ステンハンマーとは関係ありませんが)、スウェーデンと言うよりはドイツ音楽だと評されたもの。
この作曲家の第1ピアノ協奏曲をベルリン・フィルがリヒャルト・シュトラウスの指揮で初演した(ピアノは作曲者)縁もあって、ベルリン・フィルに献呈されたもの。エクセルシオの初演はコペンハーゲンでしたが、演奏したのはニキシュ指揮のベルリン・フィルでした。ということで最後のアルプス交響曲との関連もあるワケ。

最近までスコアは出版されませんでしたが、今年になってヘフリッヒから復刻。私も早速取り寄せて聴きましたが、ステンハンマーはフィナーレを2種類の形で残しており、この版もやや見難い装丁になっています。後で書き直した版での演奏と聴きましたが、もう少し精査してみないと不明な部分もありました。

シマノフスキの第3交響曲は、テノールと合唱が入る単一楽章の大曲。ペルシャ人の詩に作曲したもので、東洋的な雰囲気が濃厚。若干スクリャービンを連想させる個所も出てきます。
拍子や速度記号が頻繁に変化し、スコアを追いかけるだけでも結構大変。一度聴いただけでは何処を演奏しているのか判らなくなります。繰り返し聴いてみないと全体のイメージも掴めそうにありません。
大音量でオケが鳴らされるので、例えば練習番号94から96にかけてのオルガンを含む fff などネット中継では飽和状態。ナマで接すれば印象は随分と違ったものになるでしょう。

それは最後のシュトラウスでも同じで、オルガンの重低音はパソコンの貧弱なスピーカーでも地鳴りを感じるほど。最後の客席の熱狂も充分に理解できました。

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