暑きサラトガの開幕戦

7月19日、ニューヨーク州の競馬は夏競馬に突入し、サラトガ競馬場の記念すべき第150回となるシーズンが開幕しました。9月2日の千秋楽まで、凡そ1か月半の熱い戦いが繰り広げられます。初日のG戦は2鞍。
なお、東と並ぶ横綱格のデル・マー競馬場も一足先に開幕していますが、G戦は明日が最初。それはまた明日の日記で紹介することに致しましょう。

で、最初はジェームス・マーヴィン・ステークス James Marvin S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。この日のサラトガは猛暑。発表では華氏で96度ということでしたから、摂氏に換算すれば35度6分。日本風に言えば「猛暑日」ということで、今年の夏が特別に暑いのは北半球共通の話題のようです。それもあってか3頭が取り消して6頭立て。6月7日に雨のためにダートに変更されたベルモント競馬場のジェイパー・ステークス(本来のGⅢは剥奪)で勝ちを拾ったスーパー・スピーディー Souper Speedy が9対5の1番人気。本来ダート・コースの競馬なら気兼ねなくG戦勝馬のタイトルを手にすることが出来ます。
そのスーパー・スピーディー、積極的に先頭争いに加わりましたが、後半は脚を失くして4着まで。4番手からレースを進めた3番人気(3対1)のセージ・ヴァレー Sage Valley が、先行2頭を外から捉え、後方から追い込むポリティカリーコレクト Politicallycorrect を1馬身抑えての優勝です。更に半馬身差でヘロー・ラヴァー Hello Lover が3着。
ルディー・ロドリゲス厩舎、コーネリオ・ヴェラスケス騎乗のセージ・ヴァレーは、前走トゥルー・ノース・ハンデ(GⅢ)こそ5着でしたが、その前に休養明けながらプリークネス当日に行われたメリーランド・スプリント・ハンデ(GⅢ)でG戦初勝利を達成した馬。これで2つ目のGⅢ獲得となりました。

続いてはスカイラーヴィル・ステークス Schuylerville S (GⅢ、2歳牝、6ハロン)。今年最初の2歳牝馬G戦です。フレッシュな7頭が顔をそろえ、内6頭が前走に勝っての参戦。能力の比較が難しいメンバーでしょう。このレースを4勝しているプレッチャー厩舎の2頭がオッズではカプリングされて注目されましたが、6対5の1番人気に支持されたのは、チャーチル・ダウンズのデビュー戦に快勝したバナー Bahnah
レースはプレッチャー厩舎の2頭(イエス・リズ Yes Liz とエレナ・ストライクス Elena Strikes)を制して2番人気(2対1)のブレーズン・パスエーション Brazen Persuasion が逃げる激しい先頭争い。そのままブレーズン・パスエーションが2頭を振り切って逃げ切りを図りましたが、4番手につけていたバナーが直線でジリジリと差を詰め、2頭が並んだところがゴール。ブレーズン・パスエーションに騎乗していたロージー・ナプラヴニクは、追い込んだコーリー・ラヌリー騎手に“勝ったのはあなたの方よ”と声を掛けたそうですが、写真判定の結果は同着。内で粘るブレーズン・パスエーションと外から追い込むバナーの死闘でした。3着は1馬身4分の1差でエレナ・ストライクスが粘り、同厩のイエス・リズは4着。
ブレーズン・パスエーションはスティーヴン・アスムッセン厩舎。6月29日に2戦目でチャーチル・ダウンズの新馬戦に勝った馬で、3戦2勝。
一方のバナーはブレット・カルホウン厩舎で、上記の様にやはりチャーチル・ダウンズの新馬勝馬で2戦2勝となります。両馬の決着は、当然ながら開催最終日の前日に予定されているスピナウェイ・ステークス(GⅠ)になるでしょう。それまでに2頭を脅かす新星が登場してくるかが、サラトガの見所の一つでもあります。

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