トリは今年もウィーン・フィル
ラスト・ナイトを除いたプロムス本体、昨日愈々最終回を迎えました。去年に続いてトリはウィーン・フィル、しかも御大マゼールの指揮でブルックナーの第8一本と言うプログラムです。
≪Prom 74≫
バッハ=アレクサンダー・ギルマン/カンタータ第29番~シンフォニア
バッハ/コラール・プレリュード Allein Gott in der Hoh sei Ehr BWV662
バッハ/コラール・プレリュード Komm, Gott Schopfer, heiliger Geist BWV667
バッハ/コラール・プレリュード Vor deinem Thron tret’ich hiermit BWV668
バッハ/前奏曲とフーガ BWV543
~休憩~
ブルックナー/交響曲第8番(ノヴァーク1890年版)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/ロリン・マゼール
クラウス・ゾンライトナー(オルガン)
前半はウィーン・フィルの演奏ではなく、バッハのオルガン曲のコンサート。日本でもコバケンがベートーヴェンの第9を振る時にも組むプログラムですが、恐らくメインの作品一曲に集中したいというマエストロの意向かと思われます。
オルガンのゾンライトナーは、ブルックナーが務めていたリンツ聖フローリアン教会の、現在のオルガン奏者。後半のブルックナーに引き継ぐ最適のオルガニストでしょう。
最初はカンタータのシンフォニアをギルマンがオルガン用にアレンジしたもので、無伴奏パルティータ第3番のプレリュードと同じもの。
続くコラール3曲は18のコラール集として知られる作品集の第12、17、18番に相当するもの。題名の日本語訳は夫々「いと高きにある神にのみ栄光あれ」「来たれ、創り主にして、聖霊なる神よ」「われは汝の御座に前に進む」となります。リーのポケット・スコアをお持ちの方は、オルガン作品全集第6巻の64ページと、84ページから。
最後にアンコールがあり、やはり18のコラール集から第1番「来たれ聖霊、主なる神」BWV651 。
そして後半がブルックナー。演奏についてはとやかく言う必要も無いでしょうが、マゼールが登場した瞬間から大歓声。未だ一音も出していないのにこの騒ぎですから、さすがの貫録ですね。
使用された版は、所謂ノヴァーク版で一般的な第2稿。第2楽章と第3楽章にはマゼール自身によるものと思われるトランペットの加筆も聴かれました。興味ある方はスコアを参照しながらお聴きください。
この日のコンマスはライナー・ホーネック、放送時間が終わるまで歓声は鳴り止みませんでした。恐らくこの曲の後ではアンコールは無かったでしょう。
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