ジー

出勤早々、日経をまとめて眺めていたら、日曜日版に競馬の話題が出ていました。エコノ探偵団。
日本の競馬が世界的に認められ、これまでパートⅡだったのがⅠに格上げ、その結果「東京優駿」(日本ダービー)がGⅠではなくなったという話。詳しくは記事を読んでください。

ところでこの「G」、記事の冒頭でグレード Grade のGと解説されていましたが、これチョッと違うんです。
確かにアメリカはその通りですが、レースそのものを格付けした本家ヨーロッパは、GはGでもグループのG。Group なのであります。
記憶なので細かいことは自信がありませんが、こういうこと。

ヨーロッパ、といってもイギリスとフランスの間では競走馬の行き来は日常茶飯事でした。そこでレースで馬が負担する重量を決定するのは両国ともルール上、獲得賞金額に拠っています。
ところが通貨が変動相場制になり、特に1960年代後半のポンド安の煽りを受け、フランスで出走するイギリス馬の獲得賞金をフラン換算すると、異常に低い評価になってしまう、という事態発生。
これだけが原因ではないのでしょうが、フランスの大レースはことごとく負担重量の低いイギリス馬に勝たれてしまった。
イギリスは為替換算するとレースの価値ほどに賞金が高くない、ということになってしまうのですね。

そこでフランス側の苦情を解決するために「国際パターン・レース委員会」(名称はあくまでも記憶)なるものが設けられ、レースそのものを格付けして負担重量の歪みを是正するべくルール大改正が行われたのでした。
それがパターン・レース。先ずレースを選び(1970年)、1年後にはそれらを三つのグループに分けて格付けしました。だからG?とはグループ・ワンのこと。現在のものは1971年スタートだったと記憶しています。

これがアメリカにも伝播しましたが、レースの選択・格付け等はアメリカ側が行う。ヨーロッパとは選択基準が異なるので、こちらはグレードのGとなったわけ。
その後大陸間の調整などが行われたのかも知りませんが、私の理解はここまでですね。
やがてこれが世界基準になり、日本中央競馬会も独自にGを格付け、今日に至っているわけでしょう。

ところが世界基準を適用するに当たり、特に商業面への配慮から国際格付けが要求されるようになります。最高レベルのパートⅠ国に格上げされた日本は、G格付けも国際ルールに準拠しなければならなくなったわけ。その結果、日本ダービーは一ローカル競走の域を出なくなってしまったのであります。
何事も国際化、国際標準というのは面倒臭いですなぁ~。

私個人は、実はヨーロッパのパターン・レース思考が導入される以前からレースの格付けという考えがあって、日本の重賞競走をグループ化、グレード化した私家版重賞競走格付けリストを作成しておりました。イギリスの競馬専門誌でパターンレースの動きを知って、内心ほくそ笑んだことを思い出しましたヨ。

 

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