京都行・後奏曲

一夜明ければドピーカの、ということでもないけれど、23日土曜日の京都は、昨日の雨が嘘のように晴れわたっています。離宮からホテルまで乗ったタクシー運ちゃんの嘆きが聞かれそう。“降ってくれな、どうもならんわ”

朝はホテルのバイキング。札幌もそうでしたが、どこも中国語と韓国語が飛び交っています。政治家はいざ知らず、彼の国々にとって日本は大人気の旅行先みたいですね。朝の話題は当たり障りのないことにして、と。
あとは帰るだけですが、時間が午後2時35分のひかり。それまでどうする。

とりあえず荷物をそのままに、ホテル周辺の宝ヶ池でも散歩しましょうか。
空調の効いた部屋では分かりませんが、外は朝から暑い。夕べのような蒸し暑さはないものの、陽射しが強く、気温は30度近くに昇る予報。
それでも朝は清々しく、池の周囲はジョギングを楽しむ市民とオニヤンマで一杯。東京にも池は多けれど、これほどのヤンマはいません。
カルガモの親子が二組、5羽組と8羽組が人気の的になっていました。不思議にチョウは見かけませんね。朝が早い所為かな。

午前中を寺社仏閣巡りの雑踏に過ごす愚を避け、北山の植物園に行くことで合意。宿を引き払います。
昨日同様烏丸線北山で下車。コンサートホールとは逆方向の出口を上がると、植物園の入り口。
京都府立植物園は大正13年の開園。24万平米、1万2千種類の植物が展示されています。
一般大人200円也の切符を求めましたが、良く見るとシルバーは無料。シルバーっていくつからですか。エッ、60歳から。なぁんだ入場券払っちゃったよ。
などと話していると係員が、年齢を証明出来るものを持っていれば払い戻しますよ、と言う。60です、と言っても信用されません。阿呆に見えるんでしょうヨ。
幸い修学院離宮用に持っているパスポートがあったので、400円がバック。ここも無料で済んじゃった。金の掛からない旅ではあります。

ということでいろいろ見て回りました。時間潰しが目的ですから、緩々と。植物はいやというほどありますが、虫はあまり見ませんね。ベンチに座ってシロツメクサに来ているシジミチョウ。どうせヤマトシジミだろうと思ったら、これがツバメシジミ。良く見ればほとんどがこれ。ツバメシジミは暫く見ていませんでしたね。

有用植物園を歩いていたら年配のガーデナーに声を掛けられました。
“今朝の新聞に出ていた花がありますよ”(旅行者なんで新聞見てませんが、京都新聞のことかな。旅行者なんてそもそも来る所じゃない、ということがこれからも判るでしょ)
“何と言う花ですか?”
“えーと、名前何だっけな、こっちですよ”
と案内されるままに歩を進めると、真っ赤な喇叭状の花を付けた蔓植物。
“あ、ツキヌキニンドウでしょ”
“そうそう、それそれ”
ということで拍手されてしまいましたわ。パチパチパチ。
庭師に植物の名前を教えちゃうんだから、大したもんでしょうが。ここで雇ってくんないかなぁ。
などと戯れているうちに時間もよろしいようで・・・。

わざわざ京都まで来て、観光客の群れには一切遭遇せず、京都料理も微塵も口にせず、拝観料もほとんど払わず、満足して帰る不良シルバー夫婦ここにあり。
これが今回の顛末でした。チャンチャン。

 

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