シェーンベルクのピアノ協奏曲

3月の日本フィル定期でシェーンペルクのピアノ協奏曲が演奏されます。それで本棚の奥からスコアを引っ張り出してきたのですが・・・。

買ったのは随分昔ですね。当時、購入した日を裏表紙に書いていたのですが、それによると1969年2月8日。38年前だ。

何でこんな話をするかというと、このシャーマー版のスコアには値段が書いてあって、これが3ドル。日本での値札もそのままで、こちらは1080円。即ち、ピッタリ1ドル=360円の換算になっているのです。
1969年といえば私にとっては学生時代最後の月。当時は固定相場制だったのですね。

今は1ドルが115円から117円、ざっと日本の経済力は3倍になったのでしょう。というかアメリカが三分の一に下落した。
仮に今でも3ドルでシェーンベルクが買えるなら、円価では400円で買えるゾ。今買うとこれ幾らなんですかね。1000円前後ということはないと思います。

ということは、物価はどのくらい上昇してるんでしょうか。計算が複雑で私には判りません。

さて、この如何にも難しそうなスコア、1箇所注意したいポイントがあります。
丁度真中、先日のマエストロサロンでの解説では第2部の中間、カデンツァが出てくるより少し前です。全体が492小節で、ここは247~248小節ですから文字通り真中。

ここにピアノのハーモニックスという手法が出て来ます。譜面にやり方が書いてある。
右手で4つの音を、音を出さずにキーを押し込む。左手は3連音の細かい動きをフォルティッシモで鳴らし、この間はペダルを踏み込んでおく。左手の動きが終了したところでペダルを離す。すると、無音のまま押し込んでいた右手和音から倍音だけが鳴り始める。これがハーモニックス。

ここはオーケストラも僅かですが鳴っていますし、打楽器も出て来ます。この微かなハーモニックスが聴き取れるか!! というのが私的な聴きどころなんですわ。

CDはグールドやブレンデルが録れていたような記憶がありますが、手元にはありません。いろいろ探して、コンセルトへボウの歴史的ライヴシリーズの中に1枚ありました。1960年代のライヴでモノラル。録音状況は良いとはいえません。(ピアノはテオ・ブルインス、指揮はグスタフ・ケーニヒ)
これをスコアと首っ引きで3~4回聴いてみたけれど、よく聴き取れませんね。何となくそんな感じはするのですが。

さて今回の定期、どういう感じで聴こえてくるのか興味津々。たとえ退屈な演奏だったとしても、眠るわけにはいきません。ホール、座席、ソロとオケのバランスなどいろいろな条件があるでしょうが、ここは一つ耳を澄ませて臨まねば・・・。

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