箱根で久住三郎展を鑑賞

久し振りに旅行ネタです。旅行と言っても大袈裟なものではありませんが、日頃コンサートに引っ掛けて出張する以外には自宅に引きこもっている小生にとっては貴重な機会でした。
事の発端から書き始めると長くなるので、その辺は一切省略し、5月11日(月)の行動だけを記録しておきます。

私の出身高校の同期生でもある画家・久住三郎氏の展覧会は、これまでも何回か足を運び、その一回だった金谷美術館での感想をレポートしたこともありました。私自身の高校同級生というだけでなく、久住君は我が亡母が通っていた小学校の遥かな後輩にも当たるということで、不思議な因縁もあります。
実は久住君は2000年に早逝しており、今年が没後15年の記念の年。氏の旧友を中心に、その遺作を集めて展覧会を開こうという企画がいくつかあり、現在箱根の成川美術館で6月11日まで開催されている「永遠なる浄景」久住三郎展もその一つ。会の有志で鑑賞会を開こう、というのがその主旨。
箱根芦ノ湖 成川美術館のホームページは、これ↓

http://www.narukawamuseum.co.jp/

さて古希も間近な爺さんばかり5人衆。小学校の遠足でもあるまいということで、JR小田原駅で待ち合わせ、ということで当日。
折から箱根は毎日のように火山活動が報じられていましたが、何時死んでも構わないような猛者連のこと、一切気にせず「箱根町」行きのバスに乗り込みます。

最初にお断りしておきますが、箱根で立ち入り禁止になっているのはあくまでも大涌谷周辺だけのこと。私共が出掛けた芦ノ湖周辺では噴煙なども一切見られず、体感地震なども全くありませんでした。自然のことですから何があるかは判りませんが、報道されている情報を守って行動している限り、箱根は安全です。

成川美術館は箱根観光船が発着する元箱根港の対面。観光船に向かう人の流れとは反対に歩を進めます。
初めて訪れた成川美術館、先ず入館して驚くのは、2階ロビーから眺める絶景。手前の芦ノ湖と奥に聳える富士山の対象の見事なこと。絵葉書みたい、と言ってしまえばそれまでだけど、ホール入口の構えが額縁の如く設計され、その眺望は正に日本一。
この眺めを見ていて、「何処かで見たような」という感想を持つのも当然のこと。当美術館の隣にはNHKのお天気カメラが設置されていて、朝のニュースでその映像が時々流れるのでした。

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この日は5人衆の日頃の行いが余程良かったのか、先日終わった連休中にも見られなかったほどの快晴に恵まれ、富士山の雪解け具合も微妙にして絶妙、これだけで一幅の名画を鑑賞したような印象。一般的な美術ファン以外にもお薦めの景勝スポットでもあります。
この日はツツジとシャクナゲも満開、その庭も一見の価値あり。

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肝心の久住画伯・遺作の数々は20数点が展示されていましたが、有名な「ひまわり」シリーズなど、氏の新しい視点で描いた日本画の世界を堪能し、その想い出を偲びました。

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現在は他にも様々なスタイルの日本画が展示されており、それらを親しく鑑賞。そろそろ観光船で到着した観光客も来館し、会場も混雑して来たので我々は退散。元来たルートで小田原に引き返します。
“今日はお疲れ様でした!”と言ってそのまま各自帰宅するほどの年でもなく、バスの車中から目を付けていた魚屋で一杯、と当然の流れ。ビールで乾いた咽喉を潤したのは午後4時頃でしたが、それじゃお開き、と締めたのは夜の9時。結局老人の繰り言は5時間続いても未だ足りないような顔が並んでいました。

この秋には上野の森美術館・別館ギャラリーでも没後15年を期して開催される久住三郎展、詳しいこと、これからのことなどは新たに開設された「友の会」ホームページを見て頂きましょう。↓

http://kuzumi-tomo.gallery/

秋が深まっていく1週間、美術のメッカ上野で久住三郎の力作を鑑賞あれ。

 

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