ソンダーガードの古楽器系モーツァルト

17日に始まった今年のプロムス、今回は5日目のコンサートです。

7月21日 ≪Prom 6≫
プーランク/オルガン協奏曲
ストラヴィンスキー/詩編交響曲
     ~休憩~
ハイドン/テ・デウム第2番ハ長調
モーツァルト/交響曲第41番
 BBCウェールズ・ナショナル・オーケストラ
 指揮/トーマス・ソンダーガード
 オルガン/ジェームス・オドンネル James O’Donnell
 合唱/BBCウェールズ・ナショナル・コーラス

演奏された4曲の中に新作は無く、ハイドンを除けば何処かで一度は聴いたことのあるお馴染みの名曲が並びました。
冒頭のプーランクは、やはり今年のテーマでもある鍵盤楽器を主人公とする協奏曲の一つでしょう。ロイヤル・アルバート・ホールの名物オルガンが聴けますが、余りにもダイナミック・レンジが広い楽器で、最弱音はネット中継では明瞭に収録されていないのが恨み。やはりこういう作品はナマで聴きたいものです。

オルガンを聴くと宗教的な感情が起こるのは自然のことで、これが次のストラヴィンスキーにも繋がります。今年は特にストラヴィンスキーの記念年ではないと思いますが、前日もペトルーシュカを聴いたばかりで、この後もストラヴィンスキーの様々な作品が並ぶのも今年の特色。この際カメレオンの様な作曲家を纏めて楽しんじゃいましょう。

後半はハイドンとモーツァルト。ハイドンも宗教合唱曲ですが、最初テ・デウム第2番とあるのを見てやや疑問。ハイドンにテ・デウムっていくつもあるんだっけ?
改めて調べると、ハイドンには有名なテ・デウムの他に同じハ長調作品があって、滅多に演奏されないものが第1番、昔から聴いてきたマリア=テレジアのために作曲されたものを2番とする由。勉強になりましたね。今回のは有名な方。
良く知られているように、マリア=テレジアはハイドンの大ファンで、そのことを知ると女帝にも親しみが感じられるじゃありませんか。このテ・デウムは昔フリッチャイ盤を良く聴いた覚えがありますが、復刻された(筈の)CDは手元にありません。ですから久し振りにこの曲を楽しみました。中々堂々としていて、高名なアーノンクール盤よりずっと良いと思います。

最後はジュピター。予想通りノン・ヴィブラートの古楽器系演奏で、リピートもメヌエット再現部も含めてしつこい位丁寧に演奏してます。但し流石にフィナーレの後半だけは省略していましたが・・・。古楽器系は余り好きじゃありませんが、演奏そのものは好感の持てる優れもの。

 

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