来年のクラシック候補2頭、いや4頭
7月23日、アイルランドのレパーズタウン競馬場で極めて重要な2歳のG戦が行われました。恐らく来年のクラシックでも有力視される馬たち、今から注目しておく必要があるでしょう。
馬場は good 、所により good to dirm 。先ず2歳牝馬によるシルヴァー・フラッシュ・ステークス Silver Flash S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)は9頭立て。内4頭が初戦をデビュー勝ちしたばかりの評判馬で、人気もこの4頭に集中。
中でもカラーの7ハロンで2着に2馬身差を付けてデビュー勝ちしたオブライエン厩舎のアリス・スプリングス Alice Springs が早くも来年の1000ギニー候補としてイーヴンの1番人気に支持されていました。今期中の復帰は難しいと報道されているライアン・ムーアに代わり、去年まで同厩の主戦だったジョセフ・オブライエン騎乗。
レースは5番人気(16対1)のミス・ゴシップ Miss Goship が逃げ、アリス・スプリングスは中団グループの最後方で待機。直線に入ると、中団の5番手を進んだ2番人気(7対4)のタナザ Tanaza が馬場の中央を通って抜け出し、これを追走する本命アリス・スプリングスに1馬身4分の1差を付けて優勝。更に1馬身半差で3番人気(6対1)のタレット・ロックス Turret Rocks が3着。上位3頭は何れもこれが2戦目の無敗馬でした。
勝ったタナザはアガ・カーンの所有馬で、デルモット・ウェルド厩舎、パット・スマーレン騎乗。デビュー戦はカラーの7ハロン戦で、その時2馬身半差で2着したマインディング Minding も次のレースを快勝していますから、レヴェルが高いことは確実。父はデュバウィ Dubawi ながら牝系にスタミナが豊富なことからオークス向きと評されていましたが、ウェルド師は1マイルが同馬の最適距離と発言。来年の1000ギニーに12対1のオッズが出されて現時点の本命、またオークスにも16対1のオッズが出されました。
続いては去年に続きJRA(日本中央競馬会)がスポンサーとなっているタイロス・ステークス Tyros S (GⅢ、2歳、7ハロン)。去年はグレンイーグルス Gleneagles が制したレースで、その前にもテオフィロ Teofilo 、ニュー・アプローチ New Approach 、リップ・ヴァン・ウィンクル Rip Van Winkle などボルジャー厩舎とオブライエン厩舎のクラシック馬を輩出してきた重要な2歳戦です。
今年は7頭立て。ここも無敗馬が4頭とレヴェルが高く、中でも2戦2勝で来年のクラシックは間違いなしと評価の高いボルジャー厩舎のサヌス・ペル・アクアム Sanus Per Aquam (水によって健康、とでも言った意味か?)が1対3の断然1番人気。
ボルジャー厩舎は万全を期してペースメーカーのグレイン Gleine を出走させ、これがペースを創ってサヌス・ペル・アクアムは2番手追走。直線に向くと本命馬が外に出し、残り1ハロン辺りで先頭に立ちましたが、ここに外から襲い掛かったのが3番手でマークしていた2番人気(9対2)のドーヴィル Deauville 。最後は2頭のマッチレースの様相を呈しましたが、スリリングな叩き合いを制したのはドーヴィルで、サヌス・ペル・アクアムに半馬身競り勝っていました。4馬身半差でジョイント3番人気(9対1)のレフテナント・ジェネラル Lieutenant General が3着。
大本命のクラシック候補に初黒星を付けたドーヴィルは、エイダン・オブライエン厩舎、ジョセフ・オブライエン騎乗で、これまた厩舎のクラシック候補。リストウェル競馬場の7ハロンでデビュー勝ちし、こちらも2戦2勝となります。何とこれがタイロス制覇6頭目と言うガリレオ Galileo 産駒で、2000ギニーに14対1のオッズが出されました。
以上が昨日の結果ですが、順調に行けばタナザ、アリス・スプリングス、ドーヴィル、サヌス・ペル・アクアムは皆来年のクラシックでは度々名前が登場してくるはず。彼らの動向には要チェック。
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