ウスバカゲロウ
今朝カーテンを開けたら、南の窓にクサカゲロウが止まっていた。今頃いるのか。
虫体は長細い緑色で、翅は透き通っている。英語ではレースウイング(レースの羽)と言うはずだ。
命名は体色が草色だからとも、触ると臭い匂いを放つからだとも言われている。
卵はいわゆる「優曇華の花」(うどんげのはな)という奴で、昔は不吉の予兆とされていたらしい。何故かは知らない。
子供の頃はよく天井に優曇華の花が咲いていて、珍しいものではなかった。別に家庭が不幸だったという記憶もない。
クサカゲロウは今でも時どき見かけるけれど、ウスバカゲロウは見なくなった。クサカゲロウに似ているけれど、体色が茶色で少し見劣りがする。
こちらは幼虫時代を土中で過ごす。アリジゴクという名で知られている。
昔の東京の家屋はどこも床下というスペースがあって、そこを覗くとアリジゴクの巣がいくつもあった。面白がってアリをわざと巣に落としては遊んだ。
我が家もかつてはそういう構造だったが、近年、都会のマイホームはすっかり近代化し、清潔になってウスバカゲロウのマイホームは絶滅した。最近その姿を見なくなっても当然か。
ウスバカゲロウはもちろん「薄羽蜉蝣」と書くのだけれど、ドクトル・マンボウ氏が「薄馬鹿下郎」と漢字を充てた。大笑いしたっけ。
子供の時は「蟻地獄」で、大人になれば「薄馬鹿下郎」。何だか自分のことのようで愛着が沸く。
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