レオンスカヤ+デュトワのモーツァルト
昨日のプロムスは、毎年の様に登場しているシャルル・デュトワの指揮するロイヤル・フィルのコンサートです。
ピアノ協奏曲シリーズの一環、モーツァルトの余り演奏されない22番のソロは、プロムス30年振りの登場となるロシアの名花レオンスカヤ、デュトワとのモーツァルトが最高の聴きモノでしょう。
8月19日 ≪Prom 45≫
ドビュッシー(ビュッセル編)/小組曲
モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K482
~休憩~
ショスタコーヴィチ/交響曲第15番
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/シャルル・デュトワ Charles Dutoit
ピアノ/エリザベート・レオンスカヤ Elizabeth Leonskaja
デュトワを初めて知ったのは、英グラモフォン誌がモントリオール管との初録音ダフニスとクロエを絶賛していた時。当時の日本では指揮者もオーケストラも知名度が無いという理由で日本盤はプレスされず、止む無く個人輸入で外盤を購入したものでした。あのころは大型輸入店舗もありませんでしたから。
それ以来随分長い付き合いになりますが、最初は軽快で透明度が高く、特にフランス音楽にはピッタリな指揮者と感心したものです。N響の音を一新してデュトワ効果と呼ばれたのはご存知の通り。
今回改めてドビュッシーを聴いてみると、音楽は繊細の極みながら楽譜の読みが実に深く、どんな微細な音にも魂が宿っているのに感服。真の巨匠の域に達していると聴きました。改めてジックリと聴き直したい巨匠。
30年振りのレオンスカヤ、その演奏も然ることながら、今回はベンジャミン・ブリテン作のカデンツァを弾くことが話題でした。最初から司会者が紹介していましたし、レオンスカヤへのインタヴューが聴きもの。何でもこのカデンツァはリヒテルの依頼によって書かれ、もちろんリヒテルが初演した由。第3楽章のテーマなども登場し現代的。後で調べたら楽譜もフェイバー社から出版されていました。一聴の価値あり。
客席の反応は明らかにアンコールを要求しているような盛り上がり方で、レオンスカヤ女史は止む無く(?)ショパンの夜想曲第8番変二長調作品27-2を弾きました。
最後は謎に満ちたショスタコーヴィチ最後の交響曲。これもデュトワへのインタヴューが面白く、難解な、特に第2楽章の深刻な音楽も、デュトワは飽きさせません。
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