2015ヨーク・イボア開催2日目

ヨーク競馬場のイボア開催2日目も馬場は good to soft で変わらず、2鞍のG戦が行われました。共に出走取り消しは無く、当初のメンバーが揃っての登場です。

第2レースのラウザー・ステークス Lowther S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)は9頭立て。前走ニューマーケットのデビュー戦を6馬身差で圧勝した評判馬リュミエール Lumiere が9対4の1番人気。その評判を正直に受け取る意見がある一方で、破った相手が大したメンバーではないという見解があったのも事実です。
そのリュミエールと、3番人気(4対1)のイーストン・エンジェル Easton Angel がペースを作りましたが、スタートで前が詰まる場面がありながらも巧みに捌いた2番人気(11対4)のべシャーラー Besharah が残り1ハロンで先頭に立つと、右に寄れながらも粘るリュミエールに2馬身4分の1差を付ける完勝。更に2馬身4分の1差でイーストン・エンジェルも3着に粘りました。

今年の開催で絶好調のウイリアム・ハッガス厩舎、初日のグレート・ヴォルティジュール・ステークス(ストーム・ザ・スターズ Storm the Stars)に続いてG戦勝利となるパット・コスグレーヴ騎乗のべシャーラーは、前走アスコットでプリンセス・マーガレット・ステークス(GⅢ)を勝っていた馬。今回は前走より強い相手でしたが、陣営も吃驚の成長ぶりでG戦2連勝。この内容なら、次はチーヴリー・パーク・ステークス(GⅠ)に向かうのが当然でしょう。1000ギニーのオッズもレース前の25対1から14対1に急上昇しました。
一方2着のリュミエールも評判通りのレース内容で、こちらの1000ギニーオッズは16対1。どうやら陣営はアメリカ遠征(ブリーダーズ・カップ)も視野に入れ始めたようで、今年のラウザーは来年のクラシックに繋がる気配濃厚です。

続いてはヨークシャー・オークス Yorkshire Oaks (GⅠ、3歳上牝、1マイル4ハロン)。前日のインターナショナルは3歳牝馬が制して観衆を驚かせましたが、こちらは3歳と古馬が激突する牝馬のGⅠ。古馬も2頭参加しましたが、圧倒的優位に立つのが9頭も出走してきた3歳馬たちで、合計11頭の内、古馬は最低人気とブービー人気という珍しいオッズになりました。
特にアイルランドのクラシックで好走したメンバーが勢ぞろいし、愛オークスの上位3頭、中でもクラシックを制したカヴァート・ラヴ Covert Love が15対8の1番人気で、2着のジャック・ネイラー Jack Naylor と、フランスから遠征してきたシー・カリージ Sea Calisi (マユレ賞勝馬)が7対1で並ぶジョイント2番人気で続きます。

レースは本命カヴァート・ラヴがスローペースに落として逃げ、最後のスプリント勝負に持ち込む構え。その作戦がズバリ的中したかに見えましたが、先行していたジョイント4番人気(8対1には3頭が並ぶ)のプレイスコック Pleascach が馬体を接し、その頭を首差下げた所がゴール。最後方から追い込むシー・カリージも首差3着に食い込む大接戦でした。更に頭差でジョイント4番人気のカーヴィー Curvy (愛オークス3着馬)も4着と、上位4頭はほとんど差の無い結果になっています。
ジム・ボルジャー厩舎、ケヴィン・マニング騎乗のプレイスコックは、もちろん愛1000ギニーの勝馬で、当ブログでも血統を詳しく紹介しています。クラシック制覇の後はロイヤル・アスコットのリブルスデール・ステークス(GⅡ)2着(勝ったのはカーヴィー)、前走プリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)も5着と勝星に見放された感がありましたが、ここは本調子に戻ったのは明らか。今年のアイルランド牝馬クラシックを制した2頭の1・2着という、クラシックのレヴェルの高さを改めて実証したヨークシャー・オークスとなりました。ボルジャー師は、2008年のラッシュ・ラッシズ Lush Lashes に続く2度目のヨークシャー・オークスです。

 

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