ドイツとフランスの宗教作品

ロシアのカンタータとオペラに続き、プロムス第3夜はガラッと趣を変えて静かに宗教作品を味わいます。
エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団によるドイツとフランスの作品から。

7月17日 ≪Prom 3≫
モーツァルト/エクスルターテ・ユビラーテ
ハイドン/戦時のミサ(パウケン・メッセ)
     ~休憩~
フォーレ/パヴァーヌ(合唱付き版)
フォーレ/ジャン・ラシーヌ雅歌
フォーレ/レクイエム
 エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団 Orchestra of the Age of Enlightenment
 指揮/スティーヴン・クレバリー Stephen Cleobury
 ソプラノ/ルーシー・クロウ Lucy Crowe
 メゾ・ソプラノ/パウラ・マリヒー Paula Murrihy
 テノール/ロビン・トリッチュラー Robin Tritschler
 バリトン/ロデリック・ウイリアムス Roderick Williams
 合唱/キングズ・カレッジ合唱団 Choir of King’s College, Cambridge

最初のモーツァルトは有名なソプラノ独唱と管弦楽によるモテット。ルーシー・クロウが華やかなソロを聴かせます。
続くハイドンのミサは通し番号で第7番とカウントされているもの。ハ長調で「よき四季斎日のミサ」とも呼ばれます。特に最後のアニュス・デイではティンパニが特徴的に使われているので、「パウケン・メッセ」の愛称も。古楽団体の演奏らしく、2本のトランペットとバロック・ティンパニが個性的。4人のソロと合唱団が勢ぞろいし、この日の作品では最も規模が大きい演奏でした。

後半は一転してフォーレの宗教作品が3曲続けて演奏されます。
当初の発表ではパヴァーヌは合唱付き版とアナウンスされていましたが、実際には合唱は登場せず、純粋な管弦楽作品として演奏されていました。3曲続けて合唱ではメリハリに欠けるという配慮でしょうか。
2曲目の雅歌は、フォーレのオリジナルではピアノ、又はオルガンが伴奏する一品。手元にスコアが無かったので、例によってペトルッチのお世話になりました。今回の管弦楽伴奏版はジョン・ラターのアレンジだそうで、伴奏の3連音符はハープの担当。他は多分弦楽合奏だけで、極めて室内楽的な編曲でした。

最後は超名曲のレクイエム。1889年の室内アンサンブル伴奏による版での演奏。バリトン・ソロはハイドンにも参加していたウイリアムスが歌いましたが、彼はソロだけではなく後の合唱パートにも参加していたそうです。
一方第4曲のピエ・イェズスはクロウのソロではなく、キングズ・カレッジ合唱団のボーイ・ソプラノが天使の歌声を聴かせます。プロムスのホームページでは、このピエ・イェズスだけが映像付きで聴くことが出来、名前はクレジットされていないものの、ボーイ・ソプラノであることが目でも確認できました。

 

 

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