ハンス・ロット/交響曲(6)

前々回で紹介したセバスチャン・ヴァイグレ指揮のアルテ・ノヴァ盤が国内仕様で発売されています。BMGファンハウス BVCE-38080、1枚1000円です。輸入盤よりは若干高目ですが、日本語解説も付いていると思われますので、この機会をお見逃しなく。演奏については様々な方がレヴューされている通り、現時点でのベストに挙げられるべきものです。
次に日本初演は11月11・12の両日に迫ってきましたが、海外にお住まいの方に演奏会の情報をお知らせしましょう。
これは既に終了してしまいましたが、ペーター・ファンガー指揮ノイエ・エルブランド・フィルハーモニーがピルナ(9月9日)、グローセンハイム(9月11日)、リエサ(9月12日)で演奏しました。
次いで10月15・16の両日、ケルンのフィルハーモニーでネーメ・ヤルヴィ指揮ケルン・WDR交響楽団が取り上げます。前半はシャルヴェンカの第4ピアノ協奏曲、これも滅多に聴けない作品で、さすがヤルヴィならではのプログラムです。
11月は我が日本における初演、沼尻竜典指揮日フィルが二回取り上げますが、12月にはまたしてもケルンで演奏されます。ロットを聴きたければケルンに行け!という様相ですが、こちらはセバスチャン・ヴァイグレ指揮ギュルツェニッヒ・オーケストラの演奏、12月5・6・7日と三日間の公演です(5日はマチネー)。会場はこれもケルン・フィルハーモニーです。正に本命と言えるコンサートでしょうか。同時に演奏されるのは、メンデルスゾーン/序曲「美しきメルジーネ」、リヒャルト・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番です。
明けて2005年3月にはヨハンネス・ヴィルトナー指揮ノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレンがロットの交響曲でドイツ各地をツアーで回ります。予定は次の通り。
マール(3月12日)、ゲルゼンキルヒェン(3月14・15日)、カーメン(3月16日)、パーペンブルグ(3月17日)、レックリングハウゼン(3月19日)、ドルトムント(3月20日)。
以上、ほとんどが名前すら聞いたことのない街ばかりですが、お心当たりの方はご自身で確認の上、お出かけ下さい。
最後、実はこれが一番重要なのですが、ごく最近スコアが市販されました。出版社はベルリンのリース・アンド・エルラー(Ries & Erler, Berlin)。日本ではアカデミアを介して入手できます。但し、かなり値が張りまして、アカデミアのホームページでは 22,080.- という値札が付いています。
私は連絡をもらって“高いですよ”と言われましたが、言いだしっぺの手前、“遠慮します”とは言えず、清水の舞台から飛び降りるような気持ち(チョッと大袈裟かな)で発注してしまいました。幸い在庫がありまして、現物は今、手元にあります。
装丁も立派なもので、値段と音楽の内容に相応しいと思います。所謂クリティカル・エディションという奴で、それこそ小節毎に三種類ある資料からの考察が書かれています。ただしテクストはドイツ語のみ。もっと真面目に語学をやっておけばよかった、と思っても後の祭り。
が、何となく分かったことは、演奏上の提案や誤りの訂正についてはセバスチャン・ヴァイグレの息がかかっているようです。その意味でもヴァイグレ盤はスタンダードと言ってよいと考えられます。
首を突っ込むようにして手持ちの4種類のCDを聴いたところですが、実に面白いものです。
これについて書き出すときりがありませんので止めますが、日本初演が近付いたところで別途報告しようと考えております。

 

(この項は2004年9月のもの、日付はその積りでお読み下さい)

 

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