ハイレゾ配信で聴くN響、ベルリン・フィル

4月27日、ミューザ川崎シンフォニーホールでN響を聴いてきました。サントリーホール休館中、4月から6月までの3回限り、N響がミューザで開催する初シリーズの第1回目です。
これは明電舎創業120周年記念として同社が特別協賛、N響主催、ミューザ川崎の協力で行われるシリーズで、サマーミューザ以外でN響を川崎で聴ける絶好のチャンスでしょう。私が聴いた第1回は、

ラーション/田園組曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
     ~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第7番
 指揮/広上淳一
 ヴァイオリン/ダニエル・ホープ

というプログラム。普段、私はN響とは縁がありませんが、それは定期の会場NHKホールに拒否反応があるからで、サントリーホールはチケットが手に入らない、という理由から。決してN響嫌いだからじゃありませんよ。
今回は首都圏では最高のアクースティックを誇るミューザ川崎であること、もちろん広上淳一の指揮という二点に惹かれてのこと。
広上追っ駆けを自称しているメリーウイロウとしては、去年のグルッペンは都合が付かず、3月の京響定期は僅か30分でチケット完売という珍事もあって聴けず、という具合でずっと不義理をしてきました。
今回は名曲揃い、一度は彼の棒で聴いた作品でもあり最初は躊躇っていましたが、やはり行くことにした次第。

ということで翌日に感想、というのが私のスタイルでしたが、今回は演奏会そのものか新しい方式で録音・放送されるという情報をゲット。それと併せて記事にしようと、ここまで待っていたわけであります。

それが、表題のハイレゾ配信。音源を配信するのはIIJが手掛ける「PrimeSeat」という番組で、ホームページからソフトをダウンロードすれば、誰でも聴くことが出来ます。
私も早速手続きに従ってソフトを取り込み、配信に備えていました。

そして上記のコンサートは5月19日から配信が開始され、私もこの日に「再生する」をクリックしてみました。
音質は想像以上、これまでN響を放送してきたNHKのFMやデジタル音源とは比べ物になりません。恐らくCDやDVDをプレイヤーを通して聴く音源以上のもので、世の中の変化を実感しました。
もちろんパソコン、DAC、アンプを通してヘッドフォンで聴くのですが、どんなに音量を上げても煩くならず、逆に会場にいるような臨場感が楽しめます。なぁ~んて宣伝文句みたいですけど、本当なんだからしょうがない。

上記第1回の配信では、冒頭のラーションは含まれませんが、その代わりホープのアンコール、ヴェストホフの「鐘の模倣」(同じく広上とヒフィルでエルガーを演奏した時のアンコールでもありました)と、オケのアンコール曲グリーグの「春」も拍手を含めて完全放送されています。
広上ファンが言うのも何ですが、演奏は極上の素晴らしさで、特にブルッフの第2楽章、ベートーヴェンの第2楽章、グリーグの弱音部は息を吞む名演がそのままに堪能できました。

ミューザの音響が素晴らしいことも手伝い、これを聴くとNHKの番組は聴けなくなってしまいそう。実際の演奏会でも、ファンの間では“N響はNHKホールじゃなく、もっとミューザで演奏してくれないか”という声が大半でした。ハイレゾ配信でもそれが実感できます。
この番組は6月30日まで、何時でも何度でも楽しめるのが有難い所で、時間に制約がある人にとってこんな便利はありません。もちろん無料というのも感謝感謝。
このあと第2回のフェドセーエフ、第3回のコープマンも配信される予定で、この春は思いがけずN響を最高の状態で3度も楽しめることになります。

なお同じ内容はNHK交響楽団のホームページから、こちらは映像付きで配信中。こちらも比較のために鑑賞してみましたが、音質はハイレゾ配信とほぼ変わりません。ソフトのダウンロードが苦手な方は、N響ホームページで見て・聴いてください。

またIIJの「PrimeSeat」では、毎週土曜日の夜8時からベルリン・フィル アワーという放送があって、これまでも何度かベルリン・フィルのハイレゾ収録音源が放送されてきました。
これは土曜8時に1回だけオン・エアされる番組で、何時でも何度でもという訳には行きません。

私が間に合ったのは5月6日の放送からで、6日はラトル指揮でストラヴィンスキー/ミューズを率いるアポロ(ヴァイオリン・ソロは樫本大進)とマーラーの第4交響曲(ソプラノはクリスティーネ・シェーファー)。
13日がメータのベルリン・フィル・デビュー50周年演奏会の実況で、アイネムの管弦楽のための音楽と、マーラー/第1交響曲の「花の章」付というデビュー時と同じプログラムを聴けました。先週のアバドは出掛けていたため聴けず。

こちらは多少収録時期が古いため、N響ほどの臨場感はありませんでしたが、それでもFMやBC放送の音質とは比較にならない高音質。土曜の夜8時は何処でもドアでベルリンへ、というのが最近のトレンドみたいですね。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください