ヨーロッパは死んだ?

ということで、7月最後の日曜日は意味深長なコンサートが行われました。

7月30日 ≪Prom 21≫
ジェームス・マクミラン/ヨーロッパ・レクイエム(ヨーロッパ初演)
     ~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第9番
 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 BBC National Orchestra of Wales
 指揮/シャン・ジャン Xian Zhang
 カウンター・テナー/イェスティン・デイヴィス Iestyn Davies
 バリトン/ジャック・インブライヨ Jacques Imbrailo
 ソプラノ/エリン・ウォール Erin Wall
 メゾ・ソプラノ/ソニア・プリーナ Sonia Prina
 テノール/サイモン・オニール Simon O’Neill
 バス/アレクサンダー・ヴィノグラドフ Alexander Vinogradov
 合唱/CBSOコーラス CBSO Chorus、BBCウェールズ・ナショナル・コーラス BBC National Chorus of Wales

と言っても何か問題提起をしているわけではないようで、現在と古典の合唱大作を2曲楽しめば良いようです。
オーケストラはプロムスが始まって直ぐ、シベリウスとショスタコーヴィチを2日間連続で演奏したBBCウェールズ。指揮者は中国人女性指揮者のシャン・ジャンです。

この方はニューヨーク・フィルの副指揮者などを経て、現在はニュー・ジャージー交響楽団の音楽監督。去年までシャイイーの後を継いでミラノのジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団の音楽監督だった指揮者で、その頃に色々噂を聞いたことがありましたっけ。
実際に聴いたのは今回が初めてで、どうやら漢字では「张弦」と書くらしいですね。

前半の意味ありげなタイトルの作品をものにしたマクミランは、スコットランドの作曲家。個人的には来年3月に下野指揮日フィルでその作品を聴くことになっていますから、その時に詳しく調べてみたいと思います。それまで楽しみに取っておきましょう。
ヨーロッパ・レクイエムは、カウンター・テナーとバリトン、合唱による作品で、去年7月にアメリカ・オレゴン州のバッハ祭で初演されたもの。スコアはブージーから出版されています。

http://www.boosey.com/cr/music/James-MacMillan-A-European-Requiem/100418

ヨーロッパに国境がない時代の言語であるラテン語を使っているのは暗示的でしょう。

カウンター・テナーのソロは、以前に鵠沼でリサイタルを堪能したデイヴィスさん。そのせいもあって親しみが湧きましたね。

第9については触れません。どんな演奏かは皆さん自身で聴いてみてください。第2楽章が終わった所で拍手が起きるので、恐らくここで歌手たちが入場するのでしょう。テノールがサイモン・オニールなのは、デイヴィスと同じ意味で親しみを持ちます。
(それにしても第3楽章と第4楽章は速かったなぁ~。ヨーロッパは死んだ?)

 

 

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