二つの未完成?交響曲

8月11日のプロム34と35はロジャーズとハマーシュタインによるミュージカル「オクラホマ」の昼夜2本立て。私は馴染みの無いジャンルなのでパスさせて頂きます。
もちろんプロムスではこうしたジャンルの方が人気があり、2公演で1万6千席のチケットが完売したかどうかは知りませんが、毎年こうした催しを楽しみにプロムスに通うファンが多いのは事実でしょう。

ということで一日置いて、今日の試聴記は8月12日のプロム36です。

8月12日 ≪Prom 36≫
シューベルト/交響曲第8番「未完成」
~休憩~
マーラー/交響曲第10番(デリック・クック編)
BBCスコティッシュ交響楽団 BBC Scottish Symphony Orchestra
指揮/トーマス・ダウスゴー Thomas Dausgaard

BBCフィルが首席指揮者ダウスゴーと演奏するシューベルトとマーラーの未完に終わった交響曲2本立て。二つの未完成というプロはシューベルトとブルックナーを組み合わせるのが普通ですが、今回はマーラーの第10を英国の音楽家クックがアルマ・マーラーの承諾を取り付けてオーケストレーションした版というのが珍しい選曲でしょう。

指揮のダウスゴーは新日フィルにも何度か客演しているようですが、私はこのオケとは余り縁が無いので実演を聴いたことはありません。もちろんプロムスは常連で、去年はシベリウスを聴きましたっけ。
前半のシューベルトは特に書くこともありませんが、テンポが矢鱈に速くて、軽いこと軽いこと。コントラバスが第1ヴァイオリンの奥に位置する完全な対向配置が採られていました。

マーラーに付いても触れることは極く僅かですが、次の2点だけ気が付いたので記しておきましょう。
その一つは第4楽章スケルツォの第451小節からのヴィオラ・ソロが弾く12小節ほどのパッセージ。ダウスゴーはここをイングリッシュ・ホルンに替えています。
もう一点が第5楽章に入って打ち続けられる大太鼓の sf 。手元のクック版に無い第14小節にも一撃を加えていました。

この2点は後に改訂されたという事実があるのでしょうか。因みに私が所持しているのは1975年にAMP/フェイバーから出版された大型スコアで、例えばラトルなどはこれに更に手を入れていると聞きました。
それがダウスゴーと同じなのかは、私には判りませんでした。

 

 

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