秋、処により晩秋の札幌
今回の札幌行、記憶のために記録しておきます。忘れないうちに。
私の旅ネタは、主目的がコンサート。いわゆる観光は事の序でです。旅に詳しい人はピンと来るでしょうが、純粋に交通費と宿泊費だけにするより、各旅行会社が販売している「パック旅行」の方が結果的に廉くなります。仕組みは良く判りませんが、今回もその伝。
今回の目的は札幌交響楽団の定期を現地で聴くこと。金曜日(9月19日)の午後6時までにキタラに着けばよろしい。
旅程は全て家内任せです。で、午前11時羽田発の便で札幌直行。谷間の22日を休めば連休になるということもあって、羽田は混んでいました。私共の便も満席。ノロノロしていれば取れなかったかも知れません。
この日、東京は台風が近付いていて、朝からムッとする暑さ。数日間は避難も兼ねて、過ごし易い(筈の)北海道を楽しみましょうぞ。
札幌は結構暑かったですね。最高気温は25度ほど。但し蒸し暑さは無く、陽射しの強さによるカラッとした暑さ。これなら苦になりません。例年に比べて北海道もこの夏は暑く、秋の訪れは遅れているそうな。
キタラのある中島公園は、ナナカマドが真っ赤な実を付けていて一際目立ちます。風がやや強く、最後のモンキチョウが飛び交っている程度。
公園に面した食事処で軽めの夕食。あまり感心しませんが、札幌ではこんなものでしょうか。
コンサートが終了した10時。さすがに気温はかなり下がっており、冴え冴えとした月が印象的でした。東京では感じられない澄み切った空気。
この日の泊まりは中島公園脇のノボテル。去年の3月にも利用しましたから、勝手知ったる庭の如し。コンサートも帰りの電車を気にせず、ゆったりとした気分で楽しめます。
翌日はそのまま帰るのも勿体無い。ということで家内の選択は、レンタカーを利用して札幌近郊を散策しよう、というもの。車の賃借料もパック料金の内です。
まずは昨日の「ピーター・グライムズ」の感動が醒めないうちに“海を見ましょう”ということで小樽へ。高速道路では早く着き過ぎるので、一般道で小樽を目指します。
車にはカーナビが付いているので、目を瞑ってでも目的地に辿り着きます。拙宅の車にはこういう文明の利器は装着されていないので、カーナビをタップリと楽しみました。慣れてしまうとこれ無しでは運転出来なくなるかも。人間って嫌ですねぇ~。あ、私は運転免許は疾うに返上してしまいましたから、ハンドルは家内が握ります。
“一度、北海道を自分の運転で走って見たかった”という彼女の夢も叶って、満足の様子。とにかく道路は広々としているし、信号がほとんど無い部分も。距離の割には移動に時間がかかりません。休日の所為かな。
小樽は二度目ですので、サッと回り、初めての小樽運河。ここで昼食。秋刀魚の刺身が美味かったですねぇ。
さて目的の海を見るべく、次は鰊御殿へ。この突先に打ち付ける波に、イギリス寒村の Borough を重ねます。生憎、というか天気が良過ぎるので、波は静か。もう少し荒れて暗い海が見たかったのですが、贅沢は言わない言わない。
午後は小樽の山中、キロロという宿泊施設を目指します。ヘアピンカーヴの連続。キロロとはアイヌ語で「心」のことだそうで、ここは1993年に森林を切り拓いて建設した場所。本来は冬のスキー客が目的の施設ですが、夏も避暑地として人気が出てきたようです。宿泊はピアノ・ホテル。
何故ピアノなのかは不明ですが、確かにロビーなどにピアノが置かれていて、夜はナマ演奏もある由。ま、私は遠慮しときましょう。今日はジャズだそうです。
ホテルに着いたとたん、ドッと疲れが出て、夕食まで寝てしまいましたわ。家内も同様。初めての車、初めてのコースは疲れるでしょう。横でナビと遊んでいた私もグッタリしましたから。よくやるよ、老人カップル。
この日は、施設内の和食料理屋(風雅、多分フーガをもじってんでしょう)で低カロリーの和食。
翌朝、1時間の散歩コースがある、というので参加しました。朝6時から1時間程。
実は自分たちで付近の森を散策しようかと思ったのですが、ここはなんと言っても熊の本家本元。ウッカリ出合ってしまった時のことを畏れて、地元のガイドととの行動を選択します。参加者は我々の他には6名ほどの若者たち。札幌から来たそうです。
経路はアイヌも利用していた余市川にかかる小さい滝と、ホテル周辺に巡らせた散策路のごく一部。若い男性ガイドで、中々ハンサム。主に植物に詳しいようでした。ヨツバヒヨドリ、秋田蕗、イタドリ、ホウノキ、ナナカマドなどの解説。ウンウン、知ってる、知ってる。
私にはシラカバとダケカンバの見分け方が収穫でした。言うまでもなく、この辺りの山はほとんどがダケカンバなのです。見た目には白樺林。
ガイド氏によれば、キロロは標高約500メートル。ただし本州と比較する場合は、これに1000メートルを加算した数値が、気候や動植物の面で本州と見合う由。今日はさしずめ1500メートルの高原という趣。
下界の小樽は未だ夏の名残が幅を利かせていましたが、ここは早や晩秋。花は全て終わっており、チョウは僅かにモンキチョウを見かけただけ。夏の盛期にはキベリタテハやオオイチモンジなども見られるかも知れぬ。その辺りを聞いてみたところ、虫にはあまり詳しくない様子。
さて帰りの飛行機は15時発。レンタカーの返却の関係から、取り敢えず千歳に直行。余った時間を航空近辺の農場で収穫祭、という算段で決定。
ここもナビのお陰で迷わず、無事到着。お土産は専ら自宅用の食材でありました。場所柄、季節柄、ジャガイモ(キタアカリ)がメインでしょうか。
帰りのフライト。羽田は雨ということで、東京に近付くと雷雲に突っ込み、かなり揺れましたね。到着時間も予定より遅れ、16時50分頃羽田着。幸い、雨の止み間を縫うように移動、18時に旅装を解くことができました。
ヤッパリ疲れますネ。でも、収穫もありましたよ。色々とね。
あ、旅の写真などは、追って家内がブログで紹介するでしょう。知っている人はそちらを見て下さい。私の日記は、どこまでも文字だけです。悪しからず。
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