ツユクサ

このところ東京は梅雨らしい天気が続いています。朝の散歩も傘を持って出ようか迷うところ。今朝などは持たずに出て帰宅したとたんに降り出しましたから、ま、ラッキーでしょう。
この季節に目立つのは、やはりツユクサでしょうか。万葉の昔から咲いていた花で、説明の要もないほど。日本人の好きな、尊いとされている紫色の可憐な花。
「露草」であって「梅雨草」じゃありません。気が付きませんでしたが、6月から9月まで咲いているそうで、意外に花期が長いんですね。
小さな花ですが、良く見ると実に美しいものです。花弁は2枚のように見えますが、良く観察するともう1枚、小さく白い花弁が真ん中下に見つかります。紫の2枚が蝶を連想させますね。
雄しべの黄色がアクセントになっています。紫と黄色の配色、何とも自然の作り出す見事なバランスに感心するばかり。
子供の頃、ツユクサはもっと普通にあったように思います。花を潰してインクごっこで遊んだっけ。
最近は帰化植物に圧されて少なくなっているようにも思われますが、如何でしょう。
ところで「ツユクサ」と紛らわしい植物に「ムラサキツユクサ」というものがあります。同じ様にムラサキの花弁ですが、こちらは3枚。ツユクサよりは背も高く大きいので間違うことはありませんが、どうも紛らわしい名前ですね。
ムラサキツユクサは本来園芸用に輸入されたもので、一部で野生化しています。手元の「帰化植物写真図鑑」には掲載されていませんから、逃げ出しているのは少ないのかもしれません。散歩で見つけたのは1箇所だけですから・・・。
ツユクサの学名は Commelina communis コンメリナ・コンムニス。コンムニスはコモン、即ち「普通の」という意味です。いつまでも普通に見られることを祈りたいもの。
ムラサキツユクサは Tradescantia ohiensis トラディスカンティア・オヒエンシス と言って、以前に紹介したノハカタカラクサ(別名トキワツユクサ)と同じ属の植物。植物全体の感じから、いかにも納得、という学名ですな。

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