7月最初のパターン・レース

7月に入って英・愛・仏三国の最初のパターン・レースは、アイルランドのフェアリーハウス Fairyhouse 競馬場で行われたブラウンスタウン・ステークス(GⅢ、3歳上牝、7ハロン)です。
フェアリーハウス競馬場とはあまり耳にしない名前ですが、私が知っている限りではこの競馬場でパターン・レースが施行されたのは初めてでしょう。
ブラウンスタウン・ステークスは2003年からパターン・レースに格上げされていますが、去年まではレパーズタウン競馬場で行われていました。
何故今年はフェアリーハウスで行われるのか、開催場所が変わって来年以降もここで行われるのか、等々の情報は残念ながら手に入っていません。
アイルランドの平場競走の競馬場はカラーとレパーズタウンが主で、GⅠとGⅡは全てこの2場で行われます。
GⅢクラスになると、ナース、コーク、ゴウラン・パーク、ティッペラリーの各競馬場が上がってきます。
今年はこれにフェアリーハウスが加わることになりました。
(かつてアイルランドにはフェニックス・パークという大きい競馬場があり、アイリッシュ・チャンピオン・ステークスも本来ここで行われていましたが、1990年に財政難のため閉鎖されました)
フェアリーハウス競馬場の開設は1848年ですから、1世紀半の歴史があります。ここは平場より障害コースが重要で、アイリッシュ・グランド・ナショナルという大レースの舞台として名高い競馬場なのです。
前置きが長くなりましたが、今年のブラウンスタウンには12頭が出走、実績では1000ギニー4着のハート・シェイプトHeart Shaped が上、2対1の1番人気に支持されていました。
しかし勝ったのは4歳の古馬、20対1という番狂わせでグロウイング Glowing が予想を覆しました。
2着は短頭差で追い込んだ3歳馬リュミナス・アイズ Luminous Eyes 、3着に1馬身4分の1でアガ・カーンのカリダハ Kalidaha という結果。
人気のオブライエン厩舎ハート・シェイプトは前が塞がる不利もあって5着、イギリスから挑戦したシャンティー・ティファニー Chantilly Tiffany もフェストーソ Festoso も着順掲示板には乗りませんでした。
グロウイングは前走リステッドの4着が最高の成績で、もちろんパターン・レースは初勝利となります。
調教師はチャールズ・オブライエン(故名伯楽ヴィンセントの息子)、騎手はフラン・ベリー。牝系はスタミナ系ながらスピードで勝負するタイプの由、この日も逃げるモニヴェア Monivea を2番手で追走し抜け出すというレース振りでした。

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