タマサンゴ

先週取り上げたイヌホオズキの続きです。今の季節、道端でよく見かけるもの。
イヌホオズキと同じくナス科の植物ですから、5弁の小さな白花を付けます。花弁が反り返えるのもソックリで、てっきり○○ホオズキとか、○○ナスビという名前だろうと思っていました。
それが最近、漸く判明したのが「タマサンゴ」という名前。フユサンゴという別名もあるそうです。
これ、コンクリートの割れ目からしぶとく這い出しているのを見ると、如何にも雑草という風貌ですが、レッキとした園芸植物なんだそうですね。都会では、それが逃げ出して野生化してます。
花はイヌホオズキに良く似ていますが、葉はまるで違います。もっと細く、緑も濃い。それに遥かに密集。
何より果実が別物で、イヌホオズキが学名通り黒いのに対し、こちらは橙色で美しく熟します。
園芸植物図鑑や帰化植物図鑑には必ず掲載されています。それによると、南アメリカはブラジル原産で、日本には明治中期に観賞用として渡来したものの由。
恥ずかしながら、私は典型的な雑草の一つだと思っていました。
実は有毒だそうですから、間違っても食べちゃいけませんよ。
学名は Solanum pseudo-capsicum ソラヌム・プセウド=カプシクム。
ソラヌムはナス科ナス属ということですが、謂れは二説あるそうです。
一つはラテン語の Solanus (太陽)、陽射しを好む植物という意味。もう一つは Solamen (鎮静)からという説で、有毒ということは利用法によっては薬用ということ。鎮静作用があるんでしょうね。
種名のプセウドは「贋の」という意味ですが、カプシクムは「唐辛子」のこと。そもそもギリシャ語の Kaptein (噛む)に由来する、果実の辛さから採られた名。
何故タマサンゴが「贋の唐辛子」なのかは判りません。これは私の想像ですが、カプシクム属(トウガラシ属)の中に「ゴシキトウガラシ」という種類がありますね。あの果実とタマサンゴの果実は似ていなくもない。だからプセウドなのかと・・・。
これはあまり信用しないでくださいね。話の座興です。
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