ハキダメギク

公園の舗石の隙間、コンクリートの割れ目、軒下の片隅などにハキダメギクが目立ってきました。
漢字で書けば「掃溜菊」。如何にも“お前は雑草”と宣告しているような名前ですが、何と牧野富太郎博士の命名だそうです。
ということは古来から日本にあった植物ではなく、押しも圧されもせぬ帰化植物。東京の世田谷の「掃き溜め」で初めて見つかったのが由来。
最近では「掃き溜め」という言葉自体が死語になりつつあるような感じがします。ゴミなどを掃き棄てる場所のことですが、うっかりゴミをその辺に棄てれば、環境破壊などと訴えられてしまいますからね。
志ん生師匠の演じた古典落語、題目は度忘れしましたが、其の中に“掃き溜めに鶴” などという言い回しがあったものです。
ハキダメギクは菊科ですが、花は至って小さなもの。ルーペで良く見れば存外美しく、なるほど菊の中間であることが判ります。
道端に蔓延っていても、ほとんどの人は気が付かずにやり過ごしてしまいそう。
原産は熱帯アメリカだそうで、日本には大正年間に侵入したと推測されています。花期は4月から10月までと長いのも特徴、年がら年中咲いているような印象があります。
学名は Galinsoga ciliata ガリンソガ・キリアータ。キリアータというのは、「ふちに毛がある」という意味だそうですが、ガリンソガは判りません。英名では hairy Galinsoga というそうで、毛深きガリンソガですな。
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